2018年度から財政運営の主体が市町村から県へと移管する国民健康保険事業。県が同事業の14年度単年度収支をまとめたところ、県内18市町村のうち12市町村で赤字になっていた。赤字は13年度より2自治体増えており、「財源の一部を一般会計から繰り入れ、黒字化している自治体もある。財政運営はどこも厳しく、県民一人一人が国保事業について考えてほしい」と呼び掛ける。

 県によると、赤字額が最も大きかったのは大分市で約3億2300万円。同市の担当者は「加入者の人数は減り、高齢化も進んでいる。医療の高度化もあり、医療費は13年度に比べて11億円増えた一方、保険税収入は3億円減っていた」と説明。赤字は13年度からの繰越金で埋めた。
 約2億8600万円の赤字だった佐伯市も「加入者は約千人の減。医療費は約4千万円増えていた」。基金などから3億1千万円繰り入れ対応した。
 黒字額が大きかったのは中津市で約4300万円だった。同市によると、14年度は市独自の判断で国保会計に一般財源を投入する法定外繰り入れを2億2千万円実施。「このうち1億3千万円は赤字を補塡(ほてん)する目的だった。他の自治体と同様、財源の確保に苦慮している」と担当者。
 各市町村は国保会計の改善に向け、保険料の収納率のアップや医療費の適正化などに取り組んでいる。収納率は13市町村で13年度を上回っていた。
 1人当たりの医療費は年々上がっており、14年度は杵築市を除く全市町村で13年度を上回り、県平均では40万円(13年度比1万4168円増)に達していた。
 国保事業は運営主体が県に移管された後も、各市町村は保険税率や保険給付の決定、保険証の発行、保険税の徴収などの役割を担う。県は各市町村が県に納める国保事業納付金の額を決めるほか、統一的な運営方針を示し、市町村事務の効率化、標準化を推進する。
 県国保医療室は「国保は医療のセーフティーネットであり、将来にわたって安定的に存続させねばならない。加入者の高齢化により医療費は年々増加しており、健康づくりや疾病予防の取り組みを積極的に進めてほしい」と話している。