事故や病気で体の一部を失った人に装着してもらい、人の目を気にすることなく日常生活を送れるようにする人工ボディー「エピテーゼ」の製作・販売を、大分市内の歯科技工士、黒崎大介さん(37)が今月から始めた。義肢装具など機能回復用の器具に比べ、見た目の自然さを求めるエピテーゼを扱う工房は九州でも珍しいという。黒崎さんは「潜在的に必要としている人は多いはずで、求めに応えていきたい」と話す。

 市内公園通りの工房では既に指、手、耳、鼻、乳首などさまざまな部位のサンプルを製作。弾力性のあるシリコーン製で、血管やしみ、指紋など細部も特殊な工具などを使って再現している。見た目、触った感触とも本物そっくりといえる出来栄えだ。
 完全なオーダーメード。依頼者への聞き取りや要望を踏まえ▽部位のかたどり▽装着箇所への仮合わせ▽シリコーンの着色▽細部の仕上げ―の4工程を経て、1カ月強で完成するという。
 黒崎さんの本業は入れ歯製作。もともとデザインに関心があり、技術・医療知識に加え美的センスも求められるエピテーゼに興味を持っていた。エピテーゼを手掛ける同業者の存在を専門誌で知り、「入門」を決意。今年6月からほぼ毎週末、実績のある群馬県内の歯科技工士の元に通って技を学んできた。
 「エピテーゼを手掛ける工房は九州でもほとんどなく、患者は関西や関東まで何度も通うか、あきらめている。現状を少しでも改善したい」と黒崎さん。乳がん手術を受けた人向けの乳房や乳首、事故などで失った指の先端や耳たぶなど、個別の事情に細かく対応する予定。
 問い合わせは、黒崎さんの営む歯科技工所「クリエーション」。電話(TEL090・9476・6298)かメール(z9633@q.vodafone.ne.jp)。