赤と黄色のど派手な看板が目にとまる。店の窓から見えるロースターの中でチキンがクルリクルリと回転。入り口まで漂うハーブとガーリックの香りに、胃が刺激される。チキン丸焼きの店「ブエノチキン」の一店舗、浦添市内間にある「ブエノチキン浦添」だ。
 名前の由来は南米アルゼンチンのブエノスアイレス。アルゼンチンに移住した男性が帰郷の際に持ち帰った秘伝のタレのレシピが基になっている。男性が開いた「ブエノチキン普天間」(宜野湾市)から、幸喜孝英さん(69)がのれん分けのようにレシピをもらった。それから34年、妻の幸子さん(66)と共にタレに独自の工夫を加えてきた。
 主に沖縄本島北部で育った若鶏を、2日間、酢がたっぷり入った秘伝のタレに漬け込む。途中、粗みじん切りのガーリックとオレガノを腹に詰める。ガーリックの粒が大きいのが、他の店舗にない特徴だ。ガーリックの歯ごたえ、風味をしっかり楽しめるが、酢が効いているため匂いはそれほど気にならない。2時間のローストで、油がポタポタと落ちる。肉はサッパリしており、子どもから高齢者まで愛されている。
 4年前、幸喜さん夫婦は、一人娘の浅野朝子さん(34)に店を任せた。「常連客も多く、4世代で通ってくれる家族もいる。両親が30年以上培ってきた味を守りたい」と、浅野さんは南米発、沖縄で進化したチキンの丸焼きを広めていく。(琉球新報社社会部・岩崎みどり)

メモ:「ブエノチキン浦添」は、浦添市内間1の14の2。1羽1600円、半羽800円。イートインのメニューやネット販売もある。月曜定休。午前11時〜午後8時だが、売り切れ次第閉店。イートインは午後3時ラストオーダー。TEL098・876・0452。