初回平均視聴率は16.9%(ビデオリサーチ調べ、関東地区)と好調だったNHK大河ドラマ『おんな城主 直虎』で、柴咲コウ演じる主人公・井伊直虎の子ども時代・おとわ役の新井美羽(10歳)と、井伊直親役の藤本哉汰(13歳)、小野政次役の小林楓(11歳)の熱演が早くも話題を呼んでいる。また、すでに人気子役のポジションを獲得している本田望結(12歳)も、1月28日には初の主演ドラマ『探偵少女アリサの事件簿』(テレビ朝日系)が放送される。昨年は寺田心(8歳)が大ブレイクしたが、気づけば今年は本田と同い年の芦田愛菜や鈴木福も中学生。何かと新陳代謝が激しいと言われる子役業界、今クールは子役の活躍が目立ちそうなドラマも多いが、いったいどんな子役がブレイクするのだろうか?

◆注目の子役が続々、再び“子役ブーム”到来の予感も

 『おんな城主 直虎』は、第4話まで物語の中心となる3人を子役が演じる。子役がここまでクローズアップされるのは、近年の大河ではあまり類をみない。放送が始まるとネットでは「子役の演技が上手すぎる」「すごく感情移入した」などと子役の熱演を絶賛する声にあふれた。柴咲の子ども時代を演じた新井美羽には、「井上真央ちゃんを彷彿させる」と子役には難しいとされている乗馬シーンも演じきり、大女優へと成長する様を感じさせた。また、藤本哉汰と小林楓には、「亀之丞役の藤本哉汰くんが美人すぎる!」「幼き頃の鶴丸役の小林颯くんがめちゃめちゃ可愛い」とその容姿から女性ファンも増えそうで、「亀、鶴ともよく似た子役を見つけてきたもんだ」と将来の三浦春馬と高橋一生との声もある。「NHKの子役人選ってなんでこんなクオリティ高いんだろう」と早くも3人の成長に期待の声があがった。

 『直虎』のほかにも、今クールの冬ドラマでは注目株の子役らが多数いる。『下剋上受験』(TBS系)で中卒夫婦を演じる阿部サダヲと深田恭子の娘で中学受験を目指す山田美紅羽(みくう/12歳)は、昨年10月に結成されたアイドルユニット・ミラクルキャンディーベリーにも在籍。まだドラマ出演作は少なく印象が薄いものの、その頑張り屋さん的なルックスは少女子役の“王道”とも言え、ブレイク候補の“本命”といった感がある。

 また、『マッサン』(NHK総合)で主人公夫妻の娘・亀山エマの幼少期を演じて注目を集めた住田萌乃(8歳)は、松坂桃李主演『視覚探偵 日暮旅人』(日本テレビ系)で松坂が預かる6歳のおマセな保育園児役で出演。年齢も若く、NHK BSプレミアム『奇跡の人』では生まれながらに目と耳に障害を持った子どもという難しい役を演じるなど、早くも筋金入りの“演技派子役”の呼び声が高い。

 演技派と言えば、堤真一主演の『スーパーサラリーマン佐江内氏』(日本テレビ系)で息子役を演じる横山歩(8歳)も、すでに人気子役としてのポジションを獲得している。“特別養子縁組”をテーマにした問題作『はじめまして、愛しています。』(テレビ朝日系)では、“親に虐待を受け続けて心を閉ざした少年”を熱演。また、実話を元にしたスペシャルドラマ『ぼくのいのち』(日本テレビ系)でも、肝芽腫と闘う子どもを演じて多くの大人たちの涙腺を絞り、“天才子役”の名もほしいままにしている。横山などは、そろそろバラエティ番組あたりで子どもらしくおどける姿を見てみたい気がする。

 小雪が無一文に追い込まれたシングルマザーを演じる『大貧乏』(フジテレビ系)では、小雪の子どもの兄妹として今井暖太(はると/8歳)と野澤しおり(年齢非公開)が出演。今井は、関ジャニ∞が出演するオロナミンCのCMで“逆上がりに挑戦する子”を演じるなどCMに多数出演するほか、映画『残穢(ざんえ)‐住んではいけない部屋』にも出演し、実績を積んでいる。野澤は24時間テレビのスペシャルドラマ『盲目のヨシノリ先生』(日本テレビ系)や『地味にスゴイ!校閲ガール・河野悦子』(同系)に出演する注目株で、すでに放送されている『大貧乏』を見た視聴者から、「やっぱりカワイイ!」との声も上がるほど。こうして見ると、この冬ドラマに出演する子役たちはどれも粒ぞろいで、何度目かの“子役ブーム”が到来する予感もあるのだが……。

◆子役は競争激しく消費期限も短いが、需要は高く枯れることがない

 「子どもの成長も早いですが、子役のサイクルも早いのがこの業界の宿命です。いまだ現役で活躍する(鈴木)福くんにしても、当時“こども店長”で大ブレイクして子役ブームを巻き起こした加藤清史郎くんのポジションを奪ったようなもの。加藤くんは一時期“あの人は今”状態でしたが、“凄いイケメンになっていた”的に再ブレイクしています。そして、かつての福くんのポジションには今、寺田心くんが収まっているわけです」(エンタメ誌編集者)

 ただ、子役の新陳代謝の早さは今に限ったことではない。現在、活躍するタレントや俳優たちは、それぞれに試行錯誤や浮き沈みを乗り越えて今に至っているということだろう。“あの人は今”的な企画に出演できる“元・子役”はまだいい方で、多くの子役さんたちは人知れず芸能界から消えていくのが常識。今、大活躍している人でも意外と“元・子役”は多い。濱田岳や神木隆之介、柳楽優弥などはもとより、今ではMCとしておなじみの坂上忍が元子役だったとは、おそらく若い人は知らないだろう。

 「俳優じゃなくても、『あっぱれさんま大先生』( フジテレビ系)出身の内山信二さん、OKAMOTO’Sのドラム・オカモトレイジさん、小橋賢児(映画監督や日本最大級のダンスミュージックフェス『U LTRA JAPAN』のクリエイティブディレクター)さんなど、タレントの枠を超えて活躍している人もいます。観月ありささんや安達祐実さんだって、女優として現役バリバリですからね。今の子役で言えば、福くんも愛菜ちゃんもまだまだ活躍するでしょうし、今回の冬ドラ出演者もみなさんエース級で、それぞれに華がある。NHKの大河ドラマで登場した3人にしてもそうですが、この世界は競争も激しいし消費期限も短いですが、枯れることだけはないんですよ」(前出の編集者)

 鈴木福と芦田愛菜、そして本田望結、谷花音による一大“子役ブーム”が起きたのは2011年。それから6年経った今、そうした子役たちも今年は中学生になっていく。同時に、その後を継ぐべく新しい子役たちが次々と誕生している。子役の世界は、“大人”の芸能界とはまた違ったハードな競争が待ち受けているのかもしれない。そこからどの子役が突き抜け、ブレイクしていくのか。一連の冬ドラマを観ながら、それぞれの子役たちに注目してみるのも一興ではないだろうか。