ファンには待ちに待った新しいiPhone7/7Plusが発売された。日本ローカルのSuicaなどの電子マネーへの対応も大きな話題だったけど、注目されたのがヘッドホン端子を無くしてLightningに統合してしまったこと。ずいぶんと思い切ったことをしたものだが、“え、今のヘッドホン、イヤホンは使えなくなるの?”と、戸惑った人も多かった。でも、結局、ガラケーを思い起こさせる同梱のアダプターケーブルでつなげられるということも分かり、まぁAppleらしくない、なんともオシャレじゃないことになってしまった。

 それはともかく、ここで改めて分かったのがスマホを使う人のイヤホン、ヘッドホンへの注目度。そして、今、人気を高めているのが、スマホとワイヤレスでつなげるBluetoothヘッドホン/イヤホンだ。一方で、スマートフォン・ユーザーがMP3プレーヤーなどを使わずに、スマホに直接、音楽ファイルを入れて聴くというスタイルは、年々、広がっているといわれる。それはXperiaなどのようにハイレゾ再生できるスマホが出て来ていることも関係しているかもしれない。

 そこで今が買い時、選び時? ということで、こだわりのBluetoothヘッドホンを選ぶ上で知っておきたいポイントをメモしてみた。

Bluetoothヘッドホン―注目モデル?

ソニー MDR-100ABN。スタイリッシュで音のいいヘッドホンのシリーズ“h.ear”のワイヤレスモデルで、ビリジアンブルー、シナバーレッドなどシックな5つのカラーから選べる。薄く仕上げられたハウジングは、頭や耳にきれいにフィットする。ノイズキャンセリング機能も装備。本体重量は290g、市場実勢価格は35,000円(税別)前後。

そもそも「Bluetooth」とは何者

 コードがないからバッグに絡まない、コードが体にまとわりついてカサコソノイズが出ることもない。部屋の中でもスマホを意識することなく、着けたままでちょっとキッチンにコーヒーを入れにいったりと自由に動き回れる。そんな快適フリーリスニングを実現するBluetooth。パソコンのワイヤレスのマウス、キーボードでも活用されているが、意外に歴史は古くて、2003〜4年ごろには携帯電話で実用化されたことを覚えている方もいるかもしれない。ホームネットワークではWi-Fiとの違いは、より電波が弱いことと、1台対1台での接続が原則(Wi-Fiは複数でネットワークを組む。また接続は個対個なのでペアリングと呼ばれる)であること。つまり基本的に1台のスマホを音源にヘッドホン、スピーカーを同時に鳴らしたりはできないのだ。なお、接続が簡単なので誰にも使いやすいことなどが特徴だ。

Bluetoothのバージョン

 さて、一言でBluetoothといっても技術的な仕様によって異なっていて、それが機能や音質でも違いとなって表れている。仕様の基本となるのは、Ver3.0とかVer4.0などといわれるこのバージョン(もちろんバージョンが異なっていても互換性はある)。バージョンアップでは主に音質とも結び付くデータ転送スピードの向上や再生時間に関係する電力消費量を抑えるなどが行われてきていて、2016年10月現在の最新はVer4.2。当初は、よく途切れる、音があまり良くない、電池の消費が大きいなどといわれ、音楽ファンからは敬遠されたBluetoothヘッドホンも、それらを十分にクリアするまでになっている。

 現在、販売されているものはVer3.0が中心だが、最近では転送スピードでも消費量電力でも最高のパフォーマンスをもつVer4.0も見られるようになってきた。スマホ側では、iPhoneが6以降、Ver4.2となるなど最新機種ではVer4.0以上が標準となりつつある。それに対応するためにも(仕様はバージョンの低い方に合ってしまう)、また今後のことを考えるとヘッドホンもVer4.0以上の方が望ましい。

リモコン操作や通話機能に関わるBluetoothプロファイル

 ワイヤレスヘッドホンのほとんどは、つないだスマホの着信応答/通話や音楽の曲飛ばし/戻しなどのリモコン操作ができるので、操作するときいちいちスマホを触る必要がない。これらの機能を司るのが仕様表にあるプロファイルという項目。標準となるのがA2DPでステレオ音声の高品位伝送を行っていることを示し、AVRCPで機器のリモコン操作ができる。この2つは基本的なものとして当然。そして、通話できるようにするのが、HSP、HFPというプロファイル。取り立ててカタログなどでアピールしていなくても、このプロファイルがあれば通話できることになる。

音質に関係するBluetoothコーデック

 Bluetoothヘッドホンの高音質化として、よくアピールされるのがコーデックの種類。Bluetoothでは音声ファイルは、一度、圧縮してから送る決まりになっている。このときに使う音声圧縮方式がコーデック。標準はSBCコーデックでBluetoothオーディオ機器なら必ずもっている。高音質をうたうのがAACとaptX。前者はiPhoneなどのiOSデバイスが備えるもので後者はAndroidOSのスマホ、タブレットの一部に実装されている。どちらの方式も圧縮率を大きくしてファイル容量を小さくすることで、大容量の転送ができるところを高音質につなげている。

 そしてオーディオファンの間で注目されているのが、ソニーが開発したLDACという方式。最大でSBCの3倍ものデータ転送を可能にしているので、96kHz/24bitハイレゾ音源もそのグレードを落とすことなく送れるというもの。たとえばaptXが大体48kHz/1bitとCDをやや上回るグレードくらいなので、そのすごさが分かる。ただ、このLDACにしろ、先のAAC、aptXにしろ、ヘッドホンとスマホの両方が対応していないと、通常のSBCコーデックになってしまうということは覚えておこう。

Bluetoothヘッドホン―注目モデル?

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左)Beats by Dr.Dre. solo2 wireless。クラブサウンド・ファンを中心に世界的な人気をもつbeatsのポータブルモデルsolo2のワイヤレスモデルだ。厚みのある大型ハウジング、パワフルな低音が聴ける音作りは同社ならでは。本体カラーは、ブラック、ブルー、レッドなど鮮やかな7色を用意。重量205g、市場実勢価格は33,000円(税込み)前後。

右)AKG K845BT。世界的なマイク、ヘッドホンのブランドAKGの50mm大型ドライバーを装備したK545のワイヤレス版となる。耳にぴったりとフィットする大型ハウジング、安定した装着ができる幅広のヘッドバンドは、伝統的な同社デザインに則ったもの。仕上げはブラックとホワイト。重量292g、市場実勢価格32,000円(税別)前後。

意外な活用法もあるノイズキャンセリング機能

 ノイズキャンセリングはワイヤレスとともに注目されている機能。街の騒音などをピタッと抑えてヘッドホン内を無音のような静かな環境にして、音楽だけに集中できるようにしてくれる。基本的な仕組みはマイクで外部の音を測り、それを打ち消してしまう信号を出して、音楽だけをクリアに聴こえるようにしてくれるというもの。方式は各社さまざまだが、初めて着けた時、その静寂ぶりにびっくりさせられること請け合いだ。なおノイズキャンセリングはアウトドア専用の機能と考えがちだが、家の中でもたとえば読書のときなど、生活雑音を遮断して、サイレントな環境を作る、というような使い方もあるという。

 いかがだろう。Bluetoothヘッドホンについては以上のようなことがポイントになる。もちろん、ヘッドホン選びの基本としては、身に着けるものだからデザインや掛け心地、また音そのものが好みに合うかどうかが重要な要素だ。ぜひ販売店に足を運んで、ここで挙げたポイントを参考にしながら、自分に合った一台を選んでいただきたいものだ。

Bluetoothヘッドホン―注目モデル?

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左)ボーズ QuietComfort 35 wireless。ノイズキャンセリング機能付きヘッドホンが定評を得たボーズのノイズキャンセリングタイプ最上位モデルとなる。スイッチ類をハウジングの縁に配置した機能的なデザイン、長時間の再生などをアピール、さらに使いやすくする専用アプリも用意。重量236g、価格39,960円(税込み)。

右)フィリップス M2BTBK。フィリップス社の匠が音決めするという上級Fidelioシリーズのワイヤレスモデル。周囲のノイズを抑え、声を聞き取りやすくして通話を確実、快適にするためのデュアルマイクを内蔵している。重量286g、市場実勢価格29,000円(税込み)前後。