東日本大震災で被災した地域。地震や津波に対する警戒心や恐怖心は、未経験の人々よりずっと高いと思われるが、経験値が高い分、自分なりの判断を下すこともあるのかもしれない。昨年11月22日に発生した福島県沖地震で、全体の6割近くが避難せず、避難者の5割超は車で避難していたことが分かった。

 石巻市、東北大学災害科学国際研究所、サーベイリサーチセンターによる共同調査研究で、石巻市本庁区域内かつ東日本大震災の際の津波浸水域に、現在居住する5,000世帯を対象に調査したもの。昨年の福島県沖地震では、宮城県沿岸部にも津波注意報・警報が発表され、石巻市では避難指示を発令している。地震発生当時、在宅率は約9割で過半数は就寝中だった。津波注意報(6時2分)、避難指示(8時5分)、津波警報(8時9分)は、いずれも9割前後の認知状況で、避難した人の4割近くは「津波警報」を、避難要否の判断基準としていた。

 東日本大震災の時の津波経験なども判断材料となり、「大きな津波は来ないと思った」人(避難しなかった人の67.1%)や、「テレビ・ラジオ等での情報収集を優先した」人(同30.8%)が多く、全体の6割近くが避難をしなかったという。

 避難した人の移動手段は、「車」が54.6%、「徒歩」が32.0%。車避難の主な理由は、「安全な場所が遠い」、「車が大切な財産(失いたくない)」が共に4割以上と多い。また、「カーラジオ、テレビから情報を得る」、「家族等を避難させる」、「寒さをしのぐ」、「普段、車を使って行動するから」等の理由も、それぞれ3割以上と多い。車で避難する際、渋滞に遭遇したとの回答は17%。8割以上が渋滞には遭わなかったと回答している。