中村橋之助(51)と京都の芸妓・市さよとの不倫が発覚したが、時代は現代に移り変わっても、歌舞伎役者たちは艶聞に事欠かない。市川海老蔵(38)は、いまでこそ乳がんと闘う妻・小林麻央を献身的に支える夫のイメージが強いが、結婚前は米倉涼子に始まり、佐藤江梨子、高岡早紀ら名だたる美女との熱愛が報じられた。

 今年、藤原紀香と結婚した片岡愛之助(44)も故・つかこうへいの娘である愛原実花や熊切あさみとの交際で世を賑わした。

 2012年に57歳の若さで急逝した中村勘三郎は歌舞伎界きっての艶福家で知られ、若かりし日の故・太地喜和子から始まり、大竹しのぶ、宮沢りえ、椎名林檎、石川さゆりと亡くなるまで浮いた噂が消えることはなかった。

 一方でトラブルも少なくない。市川猿翁(76)は初恋の相手だった故・藤間紫のことが忘れられず、妻の浜木綿子と、まだわずか1歳だった息子・香川照之を置いて出奔する。この親子が雪解けするまでには45年の歳月を要した。

 故・坂東三津五郎は寿ひずるとの婚姻中に近藤サトと不倫が発覚。三津五郎は泥沼の離婚協議を経て近藤と再婚したものの、一門や家族の大反対にあいわずか1年7か月で離婚した。

 竹内結子と“デキちゃった婚”をした中村獅童(44)は結婚2年目に飲酒運転と信号無視で書類送検された。このとき、助手席に乗っていたのが元カノの女優・Aだった。この事件をきっかけに竹内と離婚した。

 前述した通り、華やかな女性遍歴を持つ勘三郎も唯一暗い影を落としたのが、宮沢りえとの関係だった。不倫疑惑が浮上した際、勘三郎は「不倫ではなく可倫だ」という迷言を残した。

 歌舞伎役者には“血を守る”という使命もあるためなのか、「隠し子」が存在した役者も多い。

 1997年、市川染五郎(43)は6歳年上の元女優との間に隠し子がいたことが発覚。2003年には海老蔵も隠し子の存在が明らかになる。大河ドラマ主演中だっただけに大騒動となった。また2011年には愛之助も京都のホステスとの間に男子をもうけていたことが報じられた。

 隠し子の存在も仰天だが、それ以上に世間を驚かせたのが、彼らの浮き世離れした発言だった。海老蔵は「子供の頃から歌舞伎の世界におりまして、これが普通だと思っておりました」と平然と言い放ち、愛之助は「世間一般でもあること。職業柄、大きく取り上げられるだけ」と悪びれるそぶりもなかった。

 これぞまさに「梨園の常識は世間の非常識」なのか。

 こんなエピソードもある。2002年、人間国宝・坂田藤十郎(84)は50歳年下の舞妓との不倫発覚と同時に、“開チン”写真が流出した際の釈明会見で「お恥ずかしいなぁ〜。私が元気だと証明するみたいで」「世の男性方にも頑張ってもらいたいね」と、ケロッと話した。

 一般社会であれば、「不倫」「隠し子」などは、社会的に抹殺されかねない大問題であるが、歌舞伎の世界では「日常」なのだ。

※週刊ポスト2016年10月7日号