「真っ白なボタンダウンのシャツでカッチリきめた妻夫木聡さん(35才)がドリンクの注文を甲斐甲斐しく聞いて回る横で、森山未來さん(32才)はグイグイお酒をあおってました。帰る頃にはすっかり酔っ払ってまっすぐ歩けず、店の壁に激突してたほど。2人ともまだ役が抜けきっていないようでした」(映画スタッフ)

 9月17日の夜、都内の串焼き店で開かれた20人ほどの宴会。参加していたのは、その日公開の映画『怒り』に出演している妻夫木や森山、スタッフだった。

 現場に残された「怒」の文字――1年前の夫婦惨殺事件の犯人は誰なのか。東京・千葉・沖縄にいる3人の「素性不明男性」が周囲に波紋を広げる。原作は吉田修一氏の同名小説だ。

『怒り』は2人の他に、渡辺謙(56才)、綾野剛(34才)、松山ケンイチ(31才)、宮崎あおい(30才)、広瀬すず(18才)ら豪華キャストの熱演が話題で、「今年の映画賞は総なめ」(映画関係者)ともいわれるほど。妻夫木は同性愛者のサラリーマン役、森山は沖縄の無人島に住み着いた旅人役だ。

「出演者が撮影現場で一堂に集まる機会がなく、クランクアップ後の打ち上げがはじめての顔合わせ。というのも、物語は東京、千葉、沖縄の3か所を舞台にして、それぞれ独立して進んでいきます。東京編に妻夫木さんと綾野さん、千葉編に渡辺さんと松山さん、宮崎さん、沖縄編に森山さんと広瀬さんが出演。しかも、撮影時期がずれていたので、たとえば妻夫木さんと森山さんは現場で顔を合わせることはありませんでした」(前出・スタッフ)

 最年長の渡辺だけは、千葉編の現場にヤクルトを差し入れたり、東京編の現場を激励訪問したという。

「でも、渡辺さんは沖縄だけ顔を見せなかった。スケジュールの都合などではなく、あえて“行かなかった”そうです」(前出・映画関係者)

 その理由は、沖縄編にオーディションを経て役を勝ちとった広瀬と佐久本宝(17才)という2人の若手が出演していたから。

「李相日監督は、かなり厳しい演技指導をすることで有名です。時には怒鳴り声を通り越して罵声を浴びせることも。今回の映画でも、経験の少ない広瀬さんと佐久本さんはそれはこっぴどく叱られていました。渡辺さんは、映画『許されざる者』で李監督とタッグを組んだこともあり、やり方もよく知っています。もし自分が沖縄に顔を出したら、そんな2人のギリギリの緊張感に水を差しかねない。最高の作品にするための気遣いだったようです」(前出・映画関係者)

 広瀬はクランクアップ後のインタビューで「死にかけてた」と語っていた。その陰に、座長として、芸能界の先輩としての渡辺の親心があった。

※女性セブン2016年10月13日号