カープ優勝に沸く広島。並々ならぬ「地元愛」はよその地方の人にすれば、「排他的」ともとられる。

 カープがらみでは、川口和久、江藤智、金本知憲らカープを去る選手が多い中、めずらしく有名選手でカープにきた石井琢朗は最高ともてはやされる。一方、広島出身ながらドラフトで巨人を逆指名した二岡智弘は「非県民」と手厳しい。

「誰もが『カープに入るだろう』と思っていたのに、よりによって巨人を逆指名して広島ファンの怒りを買い、『銭岡』と呼ばれて目の敵になった」(『広島人あるある』著者でノンフィクションライターの幸部辰哉氏)

 家電量販店はヤマダ電機よりも、地元のデオデオだ。

「2012年秋にデオデオからエディオンに店名が統一されたが、いまも親しみを込めて広島人はデオデオと呼ぶ。市内中心部ではヤマダ電機など大手家電量販店が競合していますが、デオデオで買う人が多い」(同前)

 地元食に対するプライドが高いのも県民の特徴だ。

 やはり代表的なのはお好み焼き。山盛りのキャベツにそば、うどんなどの麺類を合わせるのが基本だが、お好み焼きを「広島風」と呼ぶことは断じて許さない。

 いまや、「がばいばあちゃん」で“佐賀の人”イメージが強いが、「もみじ饅頭」のギャグで知られるタレント・島田洋七も広島出身だ。そんな彼はこう憤る。

「『広島風』という言葉には、“本物”じゃなくて、“似せている”というイメージがあるので許せない」

 お好み焼きに使うオタフクソースは一家に1本必ず常備されている。広島の30代主婦が打ち明ける。

「目玉焼きでも、コロッケでもオタフクのお好みソース。夫はちょっと辛いミツワソースと甘めのカープソースを使い分けています。え、他の県ではやらんの?」

 最近では、お好み焼きは学校給食にも出るという。

「たまのご褒美という感じなので、テンションが上がりましたね。もちろん、白いごはんとセットです」(広島在住の20代男性)

 また、お雑煮には名産の牡蠣が欠かせない。

「正月には奮発して牡蠣のお雑煮を食べます。牡蠣のエキスが染み込んで絶品です」(広島在住の40代女性)

 名古屋が発祥の地と思われがちなモーニングサービスの元祖は広島の喫茶店という主張もある。

「記録に残るモーニングで最も古いのは広島の喫茶店『ぶらじる』。元祖を騙る名古屋については、“言わせておけばいい”という感じですね」(前出・幸部氏)

 最後に広島で長らく活躍し、地元では知らぬ者がいないローカルタレントの西田篤史氏に聞いた。

「嫌われることは一番印象に残るということ。ポストさんに取り上げられて嬉しいです(笑い)。広島県民は生まれ育った街を日本一にしたがる気質がある。いくら周囲から嫌われようが、県民の誇りであるカープには日本一になってほしい」

※週刊ポスト2016年9月30日号