PRESIDENT 2016年7月18日号 掲載

■実態は物件を買って始める投資型が大半

自宅やマンションなどの空き部屋を、宿泊施設として旅行者に有料で提供する民泊が、いまサイドビジネスとしてにわかに注目を集めています。いちばんの理由は、訪日外国人の急激な増加です。

それによる宿泊場所の不足は深刻で、東京や大阪のビジネスホテルはいま、外国人観光客の滞在で稼働率が90%を超えて飽和状態。日本国内の出張客も予約が取れないありさまです。こうした需要を考えると、民泊ビジネスにとっては千載一遇のチャンス到来というわけです。

政府は訪日客を4年後に4000万人へ倍増させる考えで、ルールに則した民泊の普及を図るため、国会に「民泊新法」を提出する方針です。すでに13年に制定された国家戦略特別区域法による特区内では、旅館業の許可がなくても一定のルール下で民泊が認められるようになりました(図1)。これからが本当の民泊ビジネスの始まりだといえるでしょう。

その際、有力なインフラとなるのが、インターネットを通じて空き部屋の貸し手と借り手のマッチング・サービスを提供するAirbnb(エアビーアンドビー)。アメリカ・サンフランシスコ発祥のAirbnbは世界191カ国3万4000以上の都市に展開、同社サイトには200万件以上の物件が掲載されています。以下は、Airbnbを利用して民泊ビジネスを手がけたいという方への私なりのアドバイスです。

まず気をつけなくてはならないのは、欧米と違って日本には特有の法律や慣習があるため、民泊にともなうトラブルが比較的起きやすいということです。

欧米では見知らぬ人に有償で自宅を貸すという行為が、以前からわりと普通に行われてきました。ところが、日本にはそういう文化が根付いていないため、貸し手と借り手だけではなく、周辺住民との間でもトラブルが起きやすいのです。また、それを防いだり解決したりするルールも確立していません。

需要は伸びているのだから、誰がやっても簡単に儲かると安易に考える人が多いようですが、これも一概にそうとはいいきれません。たしかに、私の知人には、自宅の空き部屋を貸して毎月数十万円の利益を上げているビジネスパーソンもいますが、逆に、一生懸命民泊に取り組んでいるのに予約がなかなか入らず、初期費用も回収できないという人がいるのも事実です。