プレジデントFamily 2013年11月号 掲載

■読めば読むほど、具体例や細部に惑わされる

「うちの子は本をあまり読まないから、国語の読解問題が苦手なんです」

そう考えているとしたら、大間違いです。読書と国語の読解問題は、まったく次元が異なるもの。読書は感情移入をしたり、行間を読んだりして「熟読」するものですが、国語の読解問題では、問題文に「書いていないこと」は問われません。いかに感情を抜き、思い込みにとらわれずに読むかが重要なのです。

とくに論説文や説明文では、「できるだけ文章を読まないこと」がポイントです。読むのは、最初の段落と最後の段落だけ。それも各段落の最初と最後の1文だけでOKです。

1つの文章の中に、筆者が言いたいことは1つしかありません。また、1つの段落では、1つのことしか言っていない。

ほとんどの文章では、最初の段落でその文章のテーマが提示され、最後の段落に結論が書かれています。だから、最初と最後の段落、それも最初と最後の1文だけ読めば筆者の言いたいことは、ほぼわかってしまう。この「テーマ ― 結論」という軸をはじめに頭に入れておけば、読解問題は簡単に解くことができます。

ところが、多くの子供たちは、テーマと結論の間の段落に惑わされてしまいます。間の段落で展開されるのは、結論を導くための具体例を用いた説明です。子供は具体的なことのほうが理解しやすいので、そこに迷い込んで、筆者が言いたいことがわからなくなってしまうのです。

もちろん、間の段落もまったく関係がない文章ではありません。どのように「軸」と関連しているのかを考えながら、各段落の最初と最後の1文を読んでいきます。

軸をぶらさずに読む1つのポイントは、文章中の「対比」を見つけることです。論説文・説明文は「説得の文章」です。Aが良いのかBが良いのか。Aの良さをBと比べて述べることで、読者を説得しようとするわけです。そして、「対比」を見つけたら、筆者はAとBのどちらの立場なのか、つまり「結論」を頭に入れて読むわけです。

最後に重要ポイントをもう1つ。国語の読解問題では「見直しをやらない」こと。最初に書いた答えは合っていたのに、後から直して間違えてしまうという失敗がよくあります。見直しをやればやるほど、細部に目がいってしまうからです。

迷路の中でまわりを見渡しても壁が見えるだけです。でも、高いところから見渡せば、出口までの道筋が見えてくる。「熟読」せずに「できるだけ読まない」のも、それと同じことなのです。

■国語の点数をグンと上げる4つのポイント

1.まず最初と最後の段落のみ読む

・テーマは最初の段落に、結論は最後の段落にある。
・まず、最初と最後の段落を読むことで、テーマと結論をつかむ。
・テーマや結論は、「抽象的」に書かれている。
・さらに、段落の最初と最後の文は要注意。

2.次に真ん中の段落を読む

・ここには、筆者の主張を強調する材料として、具体例や対比、事実などが書いてある。
・それぞれの段落が、テーマとどう関わっているかを読み取る。
・最初と最後の1文だけでもよし。

3.思い込みは捨てよ

・答えは文中にある。
・自分の考えや意見は聞かれていない。

4.見直しはするな

・答えは、「具体例」や「事実」にではなく、「抽象」にある。
・繰り返して読むほどに、具体的なことが気になってくる。
・読み返すほどに、惑わされる。

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河原利彦
茨城県土浦市で高校受験専門塾を運営。偏差値60以上の高校合格率100%を誇る。「国語力を上げるのに読書は全く関係ない」とし、40分間、氏の授業を受けるだけで、国語の成績が20点は上がるという。WebやDVDを通した授業で全国に受講者多数。著書に『子どもを第一志望に合格させた親の3つの共通点』『お母さんにしかできない 子どもの隠れた才能の伸ばし方』など。

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(田端広英=文 教える人:河原利彦)