キングジムは4日、デジタルメモ「ポメラ」の新製品DM200を発表した。ポメラ専用ATOK搭載により変換精度が向上したほか、無線LANにも対応している。価格は税抜49,800円で、21日より発売する。

■DM200の進化のポイント

 DM200はテキスト入力に特化した、コンパクトで携帯性に優れた機種。電源を入れるとすぐに起動し、スムーズに文書作成を開始できる。現行モデルDM100の後継機種という位置付けだ。では、具体的にはどこが進化したのだろうか。

 大きな進化と言えるのが、無線LANを搭載したこと。Evernoteなどクラウドストレージに文書をアップロードすれば、パソコンやスマートフォンとよりスムーズに連携できる。また、無線LANに対応したプリンターから直接文書を印刷できるようになった。

 同機種向けに最適化した「ATOK for pomera [Professional]」を搭載した点も大きな特徴。パソコン版ATOKと同等の、高性能な日本語変換エンジンにより誤変換を大幅に削減できる。語彙数は現行モデルの約3倍に増加。また現行モデルは乾電池駆動だったが、DM200はポメラ史上初となるリチウムイオンバッテリーを採用。約18時間の長時間駆動を実現している。このほか高品質なアウトラインフォントであるモリサワ「UD新ゴR」と「UD黎ミンR」を採用した。

 サイズは約263(W)×120(D)×18(H)mm、質量は約580g。7インチワイドTFT液晶を搭載、画面の面積比はDM100との比較で約40%アップした。これにより長文も編集しやすくなっている。キーピッチは17mm、キーストロークは1.2mm。側面にはUSB 2.0のmicro USB端子とSDカードスロットを備える。対応する無線LANはIEEE802.11b/ g/ n(2.4GHz帯)で、Bluetooth 4.0+EDRにも対応する。

■「ソフト、ハードの両面で設計を見直した」

 都内で開催された製品発表会の冒頭、キングジム 常務取締役 開発本部長の亀田登信氏が登壇して挨拶した。ちょっとした打ち合わせ等で、メモがとれる製品としてスタートしたポメラシリーズ。現在ではそうした用途はもとより、記者、作家、芸能人など、しっかりとした文章を書く必要のある人たちからも高く支持されているという。亀田氏は「DM200は、そうしたファンの方々からいただいたご意見やご要望をもとに磨きをかけた、完成度の高い商品。ソフト、ハードの両面で設計を見直している」として、新製品の販売展開に期待を寄せた。

 続いて、同社 商品開発部の東山慎司氏が登壇、製品の概要を説明した。東山氏は「DM200がユーザーの皆さんにとって、手に馴染んだ万年筆、使い込んだノートのように”文房具”としてなくてはならない道具になってくれれば。DM200で文書を書く楽しさを、多くの方に味わってもらえれば幸いです」と話していた。

 続いて登壇したジャストシステム CPS事業部開発部の下岡美由紀氏は、ATOK for pomera [Professional]について説明した。既述の通りDM200では、パソコン版ATOKと同等の高機能が利用できる。その具体例として、下岡氏は「ぶどう」と打った場合は「武道」が、「ぶどう、みかん」では文脈から果物と判断して「ブドウ、ミカン」が変換候補のトップに表示されると説明した。また、過去に正しく打鍵した履歴を参照に、文章を補正する入力支援機能も搭載しているとのことだ。

■リチウムバッテリーにした理由は?

 質疑応答には、東山氏が対応した。

--- iPhoneやMacのメモアプリと双方向で編集できるポメラSyncはAndroid、Windowsでも利用できるのか。

東山氏:できない。Gメールのサーバー上にある“ノート”というフォルダの中に、新たにフォルダを作成して使用しているが、そのフォルダを参照できるのは現在のところiPhoneやMacに提供されているメモアプリのみとなっている。

--- インターネット経由で語彙をアップデートしていけるか。

東山氏:今後、検討していきたい。

--- 無線LANについて、新たに機能は追加されたか。

東山氏:現行モデルではEvernoteにのみアップロードが可能だった。今回の新製品では、メール送信機能を使ってEvernoteにアップロードできるほか、通常のメールでテキストを送信したり、ポメラで書いた文書を無線LAN対応プリンタに転送して印刷することが可能になった。

--- 編集中のテキストファイルをQRコードに変換する機能により送信できる文字数は。

東山氏:現行モデルでは最大4,800文字を16分割できる。新製品では最大5万文字を99分割できるようになった。1つのQRコードで表示できる文字数はQRコードの規格で決まっているため変更はない。

--- ツリー構造で表示できるアウトライン機能について、リッチテキスト形式で書き出せるか。

東山氏:対応していない。書き出す際は、通常のテキスト形式のみとなる。

--- 現行モデルのDM100はDM200と併売していくのか。

東山氏:併売する。DM200が後継機種となるため、DM100は在庫がなくなり次第、販売を終了する。

--- Evernoteのほかに対応するクラウドストレージは。

東山氏:現在、対応リストを準備している。

--- 乾電池で駆動できるのが、これまでのポメラの特徴だった。リチウムイオンバッテリーにした理由は。

東山氏:新製品はソフト、ハードとも大幅に強化した。乾電池駆動も検討したが、それだと満足できない駆動時間になってしまう。総合的に判断して、リチウムイオンバッテリーを採用した。

--- 現行モデルと比較すると、少し重くなった。

東山氏:キーの打ち心地などを重視する過程で、剛性もアップさせた。また内部の部品が補強されたほか、液晶も大きくなった。その結果として、全体的に少しだけ重くなった。

--- 無線LANに対応したプリンタの種類は。

東山氏:現在、HPとエプソンの2社は動作確認済み。

--- バッテリーは交換可能か。

東山氏:修理の対応となるが、交換は可能。費用は未定で、発売日までに確定させたい。