Twitter Japanは17日、Periscope(ペリスコープ)の創業者兼CEOによるプレスラウンドテーブルを開催した。ライブ動画アプリPeriscopeは、2015年に買収される形でTwitter社と合併。現在、Twitterのタイムライン上でPeriscopeのライブ機能を楽しめるようになっている。

■Periscope誕生の背景

 登壇したのは、今回が初来日となったPeriscopeのKayvon Beykpour氏。同氏はPeriscopeを開発した背景について「トルコを旅行で訪れたことがきっかけになった」と話した。政情が不安定だったイスタンブールを訪れ、目の前で起こっていることを目にしたままに拡散できるツールの必要性に気が付いたという。

 Twitter社と合併してから、ユーザー数は爆発的に増えた。Beykpour氏は「ローンチした、その日からさまざまな場所において、さまざまな内容の動画が配信されるようになった。例えばブルックリンで起こった火事が生配信された。ほかにもボルチモアの住民の反対運動、ネパールの地震などがライブで拡散された。世界中の人々がジャーナリストになり、世界中の人々に報道を届けられる」と語り、Periscopeならではの利便性をアピールした。

■進化、拡大を続けるPeriscope

 Periscopeは経営の形を変えつつも、今日までその機能を進化させてきた。2015年にはApple社のApp of the Yearを受賞。この10月には「Periscope Producer」と呼ばれる機能を追加している。Periscope Producerは市販のビデオカメラ、360度カメラなど、モバイル端末以外のカメラで撮影された動画を高画質で配信できるのが特徴。複数のカメラ機材も利用できる。

 また、スマートフォンで提供されているゲームの生配信も可能になった。画面の右上隅にプレイヤーの顔が映る小窓が出る仕様で、話している声なども配信される。もちろん、これを見ている友だちやフォロワーなどが適宜、コメントできる設計だ。

 海外ではPeriscopeを活用するメディア、企業も増加している。すでにCBSニュースでハリケーンのライブ中継に用いられたほか、ルイ・ヴィトンの開催したファッションショーなどにも用いられた。

 Beykpour氏は「日本においても、Twitterは友だち、家族、フォロワー、ファンにメッセージを伝えることができる、最も健全で最もアクティブなプラットフォームと認識されている。Periscopeならライブ動画の配信によりコメントももらえる。さまざまな人とコネクトできるTwitterで、このPeriscopeを多くの人に体験して欲しい」と話していた。

■Twitterは買収されるの?

 最後に、Beykpour氏が記者団の質問に回答した。

--- 競合サービスとの差別化要素について。

Beykpour氏「Twitterとスムーズに連携できる点が大きい。地震、ハリケーンなどの災害時に、人々はTwitterから情報を引っ張ってくる。Twitterとの連携がしっかりしていることが差別化につながっている。このほか、特別なハードウェアが必要ない、レイテンシー(データの遅延)がない、インタラクティブなコミュニケーションが図れる、という部分も差別化要因になっている」

--- 投稿された動画コンテンツはアーカイブされるのか。後から検索は可能か。

Beykpour氏「デフォルトで、無期限に保存される仕様にした。ユーザーが設定しない限り、動画コンテンツは削除されない。後から検索もできる。サービスの開始時、24時間で削除されるようにしていた。しかし動画配信に慣れたユーザーが増え、コンテンツの中身も素晴らしいものが増えてきた。そこで仕様を変更した」

--- ローカライズの現状は。日本市場に特化した機能はあるか。

Beykpour氏「日本語化は100%完了している。iOS版では16か国30言語ほどがローカライズされている。主要な言語はサポートした。特定の国に特化した機能はなく、グローバルで同じ機能を提供している」

--- Periscopeは、1対1のコミュニケーション機能が弱いのではないか。

Beykpour氏「Periscopeの強み、弱みは認識している。多くの方へメッセージを届ける機能にフォーカスしており、1対1のライブでない配信なら他にも代替サービスは存在する。Periscopeで全部の機能を補えるなら良いが、二兎を追うもの一兎も追えずで、全部しようとすると上手くいかない。そこで得意分野に特化している」

--- 広告ビジネスは、どのくらいの利益になるか。個人の投稿にも広告が出るのか。

Beykpour氏「小さな会社が利益を出すには相当な時間がかかる。最初の1ドルを稼ぐには多大な努力が必要だと認識している。SNSサービスを提供する他の企業を見ても、何年もかけて利益をひねり出している。課金システムを早い段階で導入してしまうと、ユーザーが集まらずプラットフォームの成長を損ねてしまう。そこで、まずは使ってもらいたい。Twitterというエコシステムの中でPeriscopeを熟成させてから、ビジネスの方向に持っていく。広告がつくのはフォロワー数の多い著名人などの場合で、通常のユーザーが使う限りは広告がつかない。また、ライブ配信にはつかない」

--- Twitterには、たびたび買収の話がでているが。

Beykpour氏「Twitterはいまや、世界にとって欠かせないツールになった。その想いは日増しに強くなっている。Twitterにはトピック性があるので、いつも噂になる。面白いのは、Twitterの買収話はTwitterから出て、Twitterで拡散されているということ。バブルからバブルが生まれているような、面白い状況として観察している。Twitter社のビジネスは問題なく成長している。収益、利益も増えており今後の期待も大きい。全世界が必要としているツールであり、このツールなしでは世界が動かない」