2016年9月26日、アイルランドのオーウェン・マーフィー金融サービス担当相が「英国EU離脱後の欧州における挑戦と機会」をテーマに日本記者クラブで会見した。「アイルランドは英語を主要言語とし、雇用、成長など安定的な経済状態にある」と指摘。英国のEU離脱をチャンスと捉え、「EU内の金融サービスとイノベーション(技術革新)の主要拠点になるよう努力しており、特に発展著しいアジア諸国の企業にとって理想的な玄関口となる」と強調、日本、中国、韓国などの企業がアイルランドに積極的に投資するよう呼び掛けた。

同大臣は「アイルランドでは、2012年に15%超だった失業率が8%に改善され、国内総生産(GDP)成長率も16年に5%の水準を確保する見込みだ。GDP比の国家債務も12年の120%から79%に縮小した」と説明。「アイルランド国債は全ての主要信用格付け機関から『投資適格』の格付けを受けている」と胸を張った。

さらに、海外からの直接投資先としての利点として(1)法人税率が12.5%と低率(2)人口の40%が29歳未満で、若く十分な教育を受けた労働者が存在すること(3)国際金融サービスセクターには、400社を超える多国籍企業をはじめとする世界のトップ企業400社の3万8000人以上が働いていること―などを列挙した。

また来年1月に、アジア関連のテーマを大きく取り扱う「欧州金融フォーラム」を首都ダブリンで開催することを紹介。「日本を含む世界中の投資家や金融市場の主要参加者にとって、欧州の金融ビジネス、フィンテック(金融技術)、規制管理などについて知るまたとない機会となる」と参加を呼び掛けた。

最後に、「アイルランドは今後もEUの加盟国であり続け、ユーロ圏の一員としての地位に全面的にコミットし続ける」と約束した。(八牧浩行)