2016年10月8日、韓国を代表する大企業・サムスン電子を揺るがせたスマートフォン「ギャラクシーノート7」のバッテリー発火問題が、収束の兆しをみせている。韓国内では1日から1カ月ぶりに販売を再開。7〜9月期の営業利益は市場予想を上回った。懸念されたブランド価値も高い評価を受けている。

8月19日に発売された「ノート7」は直後から、バッテリーが発火する事故が続発。サムスン電子は8月末に販売を中止し、米国、韓国、カナダなど世界10カ国で約250万台を回収する事態となった。さらに、米国や欧州各国、カナダ、オーストラリア、日本などの航空各社は機内預け荷物へ入れることを禁止。航空管理当局も飛行中の使用を禁じるなど波紋が大きく広がった。

韓国内では1日、バッテリーを韓国製から中国製に変更するなどして「ノート7」の販売を再開。聯合ニュースによると、通信大手3社が同日中に約2万1000台分を開通するなど出だしは上々で、業界関係者は「現時点でノート7の対抗馬がいない。(米アップルの最新スマホ)『iPhone(アイフォーン)7』が韓国で発売されるまでは順調にいきそうだ」と自信をのぞかせている。リコール(回収・無償交換)を進めてきた従来製品の回収率は、9月末時点で80%を超えたという。

今年7〜9月期の本業のもうけを示す営業利益について、聯合ニュースは7日、「サムスン電子が前年同期比5.6%増の7兆8000億ウォン(約7300億円)になる見通しと発表した」と報じた。4〜6月期は9四半期ぶりに8兆ウォン台を回復したが、7〜9月期は前期比4.2%減少し7兆ウォン台にとどまった。それでも市場予想の平均(7兆4393ウォン)に比べると3000億ウォン以上多い。

7〜9月期の売上高は49兆ウォンで、前年同期比5.2%、前期比も3.8%、それぞれ減少する見通し。バッテリー発火問題の処理費用は最大1兆5000億ウォンに上るとみられる。これが7〜9月期決算にどれほど反映されるかは明らかにされていないが、聯合ニュースは市場の分析として「処理費用を勘案した場合、7〜9月期の営業利益が7兆ウォン台前半に下がる」と伝えている。

サムスン電子のブランド価値についても、聯合ニュースなどは「コンサルティング大手の米インターブランドが5日に発表した世界企業のブランド価値評価ランキング『ベスト・グローバル・ブランド2016』で7位となり、トップ10に入った」と報じた。ブランド価値は518億ドル(約5兆3000億円)で前年比14%上昇し、初めて500億ドルを突破。2000年の52億ドル(43位)に比べ10倍近く成長した。

サムスン電子よりブランド価値が高く評価された企業はアップル、グーグル、コカコーラ、マイクロソフト、トヨタ、IBMだけ。発火問題をよそに、インターブランドは「スマホやテレビなどさまざまな製品とサービスが日常で容易に活用される環境をうまく構築した」と評価している。(編集/日向)