発表、爆発や発火、返品修理、使用禁止、販売停止、回収(リコール)、全面的生産停止。韓国サムスン電子の携帯電話「ギャラクシーノート7」は発売からの4カ月間に、以上のような波瀾の運命をたどり、ついに「捨て駒」になってしまった。サムスンは今月11日に出した公告の中で、このほど複数の国のユーザーに苦痛を与えたトラブルに終止符を打つと宣言した。中国新聞網が伝えた。

だが問題は携帯電話だけでない。9月末には洗濯機が爆発したというニュースが伝えられた。さらに悪いことに、サムスンは米アップル社との裁判で負けるという打撃も受け、一連の事件の影響がドミノ倒しのように徐々に広がっている。サムスンの名誉を「死に至らしめた」のは何だろう。

▽アップルを追い越したい一新、焦っても熱い豆腐は飲み下せない

昨年8月31日、サムスンは「ノート5」を発売した。今年になると、アップルの次世代携帯「iPhone」(アイフォーン)を追い越したい一新で、上層部が新機種の発表ペースを早めることを決定し、1年後を10日前倒しして、8月3日に虹彩認証やデュアル曲面ディスプレーなど革新的科学技術を搭載したノート7を発表した。

ノート7は発表されると大変な大人気となったが、ライバルを狙撃するはずが、安全に問題ありのレッテルを貼られるようになるとは誰にも予想できなかった。ノート7は結局、アップルを助ける「神風」になってしまった。

「アップルはこのたびの騒動で最も大きな漁夫の利を得たし、たくさんの時間を稼ぐことができた」という声が聞こえる。消費者がノート7と「iPhone7」とどちらにしようか迷っている時に、ノート7が爆発事件で姿を消し、アップル製品が真っ先に選ばれるようになり、市場で先制のチャンスをつかまえた。

今月11日、サムスンは「ギャラクシーノート7の生産・販売を停止するとの決定」を発表し、最近起きた発火事件について、「原因を徹底的に調査し、品質管理を強化するために供給量を調整していたが、ユーザーの安全を保障するために最終的に生産を停止することを決定した」と発表した。

▽悪いことは続く、洗濯機にも問題

携帯電話の爆発事故が続く中、サムスンは別の製品でも爆発をはじめとする安全の問題を抱えるようになった。米国消費者製品安全委員会は、「当委員会は洗濯機の爆発に関する報告を多数受けており、サムスンの一部の洗濯機を購入した消費者に一層の警戒を呼びかけている」という。

米テレビ放送ネットワークのアメリカン・ブロードキャスティング・カンパニー(ABC)が行った調査によると、昨年初め以降、米国人消費者21人から同委員会に対し、サムスンの全自動洗濯機が爆発したり、解体したりしたとの報告を寄せられた。これに先立ち、サムスンの洗濯機はニュージーランドとオーストラリアでも複数の発火事件を起こしており、オーストラリアでは14万4000台が回収・修理の対象になった。

▽大きな打撃、処置なしか

爆発事件の発生後、サムスンは、「これは(バッテリー製造をてがけるグループ企業の)サムスンSDIが製造したバッテリーの問題によるもの」との見方を示した。専門家は、「サムスンは調査の中で問題をすべてバッテリーのせいにしているが、充電回路の設計にも問題があるとすれば、電池と本体が互換性をもつはずがなく、ノート7は必ず回収が必要になる」と話す。

発表された公告をみると、韓国語版と英語版には表現に明らかな相違点がある。韓国語の公告では、消費者にノート7の利用を停止するようにとの記述がない。一方、英語には「旧モデルのノート7も更新モデルのノート7も、必ず電源を切って、利用を停止してください」と明確に記されている。

▽ドミノ効果から抜け出せない

最初の爆発事件が起きてから現在までの約2カ月間に、爆発による「ドミノ効果」が徐々に明らかになってきた。

短期的な財務上の影響をみると、8月中旬にサムスンの株価は過去最高を更新したが、爆発事件が起こると、投資家の間でパニック的な投げ売りの状態になり、9月9日の大暴落から2日間は2008年以降で最大の下げ幅を記録し、サムスンの時価総額は220億ドル(約2兆2783億円)に目減りした。サムスン証券会社の研究員は、「サムスン電子はノート7を販売停止にし回収したことで、下半期の利益は8200億ウォン(約755億円)減少し、これは人民元に換算して49億元になる」と分析する。

金がなくなればまた稼げばよい。チャンスを失ったら次を待てばよい。だが名誉の損失は甚大だ。長期的にみると、サムスンの携帯電話は長年にわたり着実な製品という評判を積み上げてきたが、ノート7により安全に問題ありとのレッテルが貼られてしまい、これからロイヤリティの高い顧客を相当失うことが予想される。

俗に、「筋肉や骨を痛めると治るのに100日かかる」などという。サムスンが今後いつ携帯電話市場で完全に力を取り戻すことができるのか、今はまだわからない。(提供/人民網日本語版・編集/KS)