2016年9月20日、韓国・朝鮮日報などによると、韓国文壇を代表する女性作家・申京淑(シン・ギョンスク)氏の代表作である長編小説『母をお願い』に盗作疑惑が持ち上がった。同作品は認知症で行方不明となった母親を娘が手を尽くし捜し回るストーリー。世界各国で翻訳出版された韓国文学の大ベストセラーで、日本でも11年に翻訳出版されている。

韓国の法曹界関係者によると、今年6月、エッセイストのオ・ギルスン氏が『母をお願い』は自身の随筆を盗作したものだとし、申氏と出版社「創批」を相手取り各1億ウォン(約910万円)の損害賠償と同作品の出版差し止めを求める訴訟を起こした。1回目の裁判は今月8日、ソウル中央地裁で開かれている。

オ氏は08年に出版された『母をお願い』について、01年出版の自身のエッセイ集『牧童はその後どう生きたのだろうか』に収録の「思母曲」を小説に作り替えたものだと主張している。11年には申氏に直接メールを送りこうした指摘をしたが、回答はなかったという。また、12年にはメディアのインタビューで「この作品は認知症にかかった私の母親の話であり、私の魂の作品であるのに、それをなぜ盗作できるのか」と語っていた。一方、申氏と創批側は「『母をお願い』は申氏が自ら構想した内容」として盗作を否定している。

申氏は昨年、短編小説『伝説』の一部に三島由紀夫の『憂国』と酷似した部分があるとして検察に告発されたが、検察は今年4月、嫌疑なしと判断した。

再び持ち上がった盗作騒動に、韓国のネットユーザーは次のようなコメントを寄せている。

「またなの?」
「誠実な反省もないまま盗作騒ぎを伏せようとする創批も申京淑も情けない」
「学生時代にはよく読んだし好きな小説家だったのに、疑惑に次ぐ疑惑やその対応を見て今は背を向けた」

「ゼロから創作する才能はないが、見聞きしたものを脚色することにかけては名人なんだろう」
「申京淑はすでに永遠の盗作作家だ」
「文学好きの一人として、こういう騒ぎが起こること自体が問題だと思う。申京淑氏は深い反省を通し、国民に新たな姿を見せるべきだ」

「がっかり」
「三島の『憂国』は本当にそっくりだった」
「最初はこんな書き方もあるんだなと思ったけど、何を読んでも一本調子でもう飽きた」
「小説家になるのってずいぶん簡単なんだね、京淑さん?」(翻訳・編集/吉金)