2016年9月24日、中国からの独立運動を抱える新疆ウイグル自治区。中国当局のウイグル族に対する監視や締め付けは常態化し、表面的には平静を保っている。しかし、今月にも当局が武装グループの拠点に踏み込んだ際、爆発が起き当局側の1人が死亡。やはり独立運動が続くチベット自治区同様に中国の“火薬庫”でもあることが浮き彫りになった。

中国の北西部に位置する新疆ウイグル自治区は、国内に五つある自治区の一つ。東トルキスタンとも呼ばれる。人口は約2200万人で、イスラム教を信じるトルコ系住民のウイグル族など少数民族が6割を占める。

清朝時代、中国に征服され、1933年と44年に独立を宣言したが、新中国成立を経て自治区となった。その後は漢族の移住が増え、文化や宗教が抑圧されていると訴えるウイグル族との対立が激化。1990年代以降はソ連崩壊に伴う中央アジア諸国の独立を受け、ウイグル族の独立運動も活発化した。

これに対し、中国政府は同化政策を強化。アムネスティ・インターナショナルによると、学校組織を「バイリンガル」にするとしながらも、実際はウイグル語を排除し、中国語を唯一の言語とした教育を進めている。新彊ウイグル自治区南域の都市部出身の子どもや教師たちは「学校構内でウイグル語を一言でも話せば、罰せられるだろう」と報告しているという。

宗教活動でも地方のイスラム教指導者任命に干渉したり、モスク内外に警察を配備したりして厳重な管理下に置いている。自治区の政府職員(教師・警官・国営企業労働者・公務員を含む)は、宗教活動を行うと職を失う危険があるされる。仏RFIなどによると、今年6月のイスラム教徒の断食月「ラマダン」の際にも、政府機関が公務員や共産党員などにラマダン中の宗教活動禁止を徹底するよう指示を出し、監視を強化している。

ウイグル族の不満が一挙に爆発したのが2009年7月のウルムチ騒乱。前月に広東省の工場で漢族がウイグル族を襲った事件が引き金になった。自治区の区都ウルムチ市内でデモ行進していた学生と治安部隊が衝突し、一部が暴徒化して漢族の商店などを襲撃した。当局の発表では197人が死亡し、1700人以上が負傷した。

13年10月には北京・天安門広場で車が暴走して炎上。運転者や同乗者と観光客ら計5人が死亡した。車内からガソリン容器などが見つかったことから、当局はウイグル族によるテロと断定した。14年4月にはウルムチ南駅前で、刀を持った暴徒が群衆を襲うと同時に爆発も発生し、3人が死亡、79人が負傷。翌5月にも買い物客でにぎわうウルムチ市内の朝市に車両が突っ込み、爆発する事件があり、39人が死亡した。当局はいずれもウイグル族のテロとしている。

香港メディアによると、新疆ウイグル自治区ホータン地区グマ県で今月10日、公安当局が爆発物の製造拠点を摘発しようとした際、爆発が発生し、公安局幹部1人が死亡、数人が重軽傷を負った。当局側は少なくともウイグル族17人人を拘束したという。(編集/日向)