2015年9月27日、日中の平和促進と経済発展を目指す政官財言論界有識者会議「東京・北京フォーラム」(言論NPO、中国国際出版集団主催)が東京で始まった。今年のテーマは「世界やアジアの平和、発展に向けた日中の役割と協力」。毎年、日本と中国で交互に開催されており、今年で12回目となる。

開会式で、唐家●(王ヘンに施)中日友好協会会長・元国務委員は「和すれば互いに利し、争えば傷つく」と強調した上で、「中国の発展は日本にとって脅威ではなく、好機である。日中は相互補完関係にあり、双方が同じ方向に向かえば発展する」と呼び掛けた。特に「海洋の平和」が重要だとし、「東シナ海を平和と安定の海にしなければならない」と訴えた。一方、「日本は領域でもない南シナ海の問題を意図的に取り上げ、問題を複雑化している」と非難。直接の当事国同士が2国間で協議し解決するために、サポートしてほしいと求めた。

明石康実行委員長(元国連事務次長)は「日中世論調査の結果、両国の国民感情は非常に悪い状態が継続しているが、一方で、このような状況にもかかわらず両国の多くの人々が関係改善を求めている」と述べ、「相互尊重の精神に基づいて困難を乗り越えていきたい」と強い意気込みを表明した。

岸田文雄外相は「世論調査結果では、中国人の日本に対する印象は改善されているが、日本人の対中感情は悪化している」と指摘した上で、「双方が国民感情の改善は不可避であり、様々なレベルの対話を通じた交流が重要だ」と呼び掛けた。その上で、中国人に対する日本滞在ビザ(査証)発給要件を緩和し、数次ビザや期間延長などを10月17日から実施することを明らかにした。

蒋建国・国務院新聞弁公室主任(国務大臣)は、「中日双方が対話を強化、相互信頼を増進し、関係改善に取り組まなければならない。日中のシンクタンク、メディア、企業同士が協力して、対応してほしい」と訴えた。

◆互いに自制し危機回避すべき―福田元首相

フォーラムの最高顧問である福田康夫元首相は「日中両国の指導者は、冷静な判断が必要だ」と強調。具体的に(1)現状を悪化させないよう凍結するとともに、互いに自制し危機を回避すること、(2)歴史から学ぶことの重要性を再認識すること、(3)父・福田赳夫首相が40年前に唱えた「福田ドクトリン」が謳った「近隣諸国と協力して世界の安定と発展のために努力する」の精神に立ち返って、協調していくこと―の3点を挙げた。
 
程永華・駐日大使は、「日中関係は最も重要な2国間関係の1つだ」と強調した上で、相互信頼」と「理解」が重要であり、日中間で合意した4つの合意文書に基づいて新たな問題の発生を防止すべきだ、と訴えた。(八牧浩行)