中国国家旅游(観光)局が発表した「旅行社高齢者観光サービス規範」が今月1日から正式に実施されている。同規範は、高齢の旅行者の合法的権益を一層保障し、旅行社の経営行為やサービス内容を規範化し、旅行社業界のサービスの質を向上させ、高齢者の旅行を対象にしたサービスに対する要求を明確化している。これら基準は、高齢者を対象にした旅行商品を提供している旅行社に適用されている。 新華社が報じた。

同ニュースを見て、筆者は日本の旅行業関係者数人を取材したところ、日本には高齢者専用のツアーを対象にした法規がないことが分かった。また、そもそも日本の旅行社は、高齢者だけを対象にしたツアーを企画することもないという。その理由の一つに、多くの人が「高齢者」と呼ばれたり、「年長者」と冠されたりすることを嫌っており、家族や親戚でない限り、退職した高齢者であっても、「おじいちゃん」や「おばあちゃん」と呼ばれることも嫌うことが挙げられる。

そのため、旅行社は高齢者向けのツアーを企画していても、高齢者の気分を害することがないよう、「これは高齢者のためのツアー」とわざわざ言うことはない。高齢者専用のツアーがないということであれば、そのようなツアーを対象にしたサービス規範を制定する必要もなくなる。

日本の社会で高齢化が進むにつれ、旅行業の競争も日に日に熾烈になっており、各旅行社は必然的に一層行き届いたサービスを提供し、利用者にリピーターとなってもらえるよう努力している。そうなると、法外な旅行費を請求したり、サービスのクオリティを下げたり、途中で料金を上げたりして、自分の会社の評判を落とすようなことも自然となくなる。日本の旅行業関係者によると、サービスに満足し、十数年同じ旅行社を利用している高齢者もいるという。

日本の旅行業においては、1952年7月に制定された「旅行業法」の規範を守らなければならない。同法は、旅行業者の運営を規範化させているほか、公正な取引を維持し、旅行の安全を確保するほか、旅行客の便宜を向上させるよう求めている。71年11月10日、運輸省(現・国土交通省)は「旅行業法施行規則」を制定し、旅行市場を一層具体的に規範化した。

旅行社のサービスが規範化されているかは、旅行社の資質と大きな関係がある。日本では、旅行社が無登録でバスツアーを企画していることが判明すると、その旅行社に厳しい処分を下している。例えば、関連の責任者には、100万円以下の罰金または1年以下の懲役が科せられる。

その他、旅行社は旅行業協会に「営業保証金」を払わなければ、経営を始めることができない。保証金制度があるのは、旅行社が倒産して、損害を受けた旅行者が賠償を受けることができないという状況を避けるためだ。

日本に高齢者の旅行を対象にした規範はないが、高齢者の安全が軽視されているということでは決してない。日本では単に高齢者だけでなく、全ての旅行者の安全を重視している。「旅行業法」やその施行規則で、安全に関する詳しい対策が講じられている。例えば、観光バスは2時間おきに休憩しなければならないほか、運行記録が必要で、過労運転を避けなければならない。また、大人でも子供でも、ツアーに参加する場合は傷害保険1000円を払わなければならない。旅行社も旅行者一人一人に体調を聞き、足の不自由な人のためには車いすを準備する。

筆者は昨年の夏休み、おじ(80)とその家族と一緒に日本を旅行した。その時、東京のある旅行社がわざわざ車いすを北海道の新千歳空港に送ってくれた。関西国際空港から出国する時に、おじたちは車いすを宅配便で東京に送るだけでよく、送料は旅行社が負担してくれたという。(提供/人民網日本語版・編集KN)