2016年10月3日、韓国・朝鮮日報などによると、運転中に心停止で突然意識を失ったタクシー運転手を乗客が見捨てて立ち去る事件が韓国で起こった。韓国では今年8月にも同様の事件で運転手が死亡しており、客を処罰する法律の制定を訴える声も上がっている。

9月30日午後10時30分ごろ、ソウル市内を営業運転中だったタクシー運転手Aさん(62)が突然意識を失った。Aさんは意識を失う直前にブレーキを踏んだため、対向車線のキムさん(43)の車にゆっくりとしたスピードで当たる程度で事故には至らなかったものの、キムさんの通報で警察と救急が駆け付けた際にはAさんはすでに死亡していた。キムさんによると、タクシーが止まった直後にキムさんが運転席に駆け寄ると、後部座席にいた客は車を降りて立ち去ってしまったという。

Aさんの死因は持病の心臓異常による呼吸困難だった。警察関係者は「乗客が異常を感じてすぐに救急に通報し応急処置をしていれば結果は違っていたかもしれない」としながらも、乗客の行動が刑事処罰対象とはならないため調査はしない方針を明らかにした。

8月と同様の事件が相次いだことを受け、SNSなどでは「危険な状況に置かれた人を見つけても助けなかった場合には処罰する法律を制定すべき」との声が出ており、米国やカナダで施行されている「善きサマリア人の法」も話題になっていると記事は伝えた。

一方、報道に対しては、乗客の行動を理解する意見がネットユーザーから多数寄せられている。

「外国では認められる正当防衛が認められないのに、こういうことだけ外国をまねするべきなのか?」
「道徳的には客を非難できるかもしれないが、法的に処罰するのは絶対に無理」
「乗客はけがをしなかったのか?治療費や示談金も放棄して去るとは、手配犯だったのかな」

「人としては当然助けるべきだけど、助けてあげても警察の取り調べとかで何かと時間を取られたりもする」
「キムさんが119番に通報したから立ち去っただけかもしれない」
「国語や英語、算数なんかよりも正しい人格を育てる教育をすべきだ」

「タクシー運転手まで乗客が救わなきゃいけないのか?運転手も定年制にして、健康診断をきちんとやるべきだ」
「僕もそのまま逃げると思う。他人のことに首を突っ込むと、とんだことになりかねないからね」
「最近、警察の考え方もだいぶ変わりはしたけど、そこは韓国、助けようとしたら逆に殺人者扱いされるかもしれない」(翻訳・編集/吉金)