2016年10月4日、韓国でも秋の運動会シーズンを迎える中、韓国・ハンギョレ新聞は、学校の運動会で必ず歌われる各校の校歌の問題点について報じた。

その問題点とは、多くの校歌の歌詞が開校当時に作られたまま変わっておらず、現代の子どもたちの感性に合わなくなっているというもの。1950年に開校したソウルのある小学校では、詩人でもあった前校長が「子どもたちがもっと歌いやすい歌詞に」と歌詞を作り替える作業に乗り出したものの、卒業生からの猛反対に遭い作業は2年前から進んでいないという。

同紙の調べによると、校歌歌詞を公開しているソウル市内の小学校402校のうち、75%の校歌の導入部に「漢江」や「冠岳山」などの地理的名勝が登場する。学校から近い山や川の歴史的意義に言及し、そこから「気運」や「精気」を受け取ろうとの内容が多い。

国家主義的・民族主義的傾向を反映した言葉も多く使われている。子どもたちを「大韓の働き手」「国の柱」「同胞の明かり」などと表現し、親や国への「忠誠と孝行」を強調するものだ。校歌に「国」の単語がそのまま使われている学校は155校、「働き手・人材」は87校、「柱・支え」は67校、「同胞」は65校に登場している。

「アリたちが力を合わせ大きな事を成すように、われらも困難を耐えて耐え抜いて、国の花を咲かせる夢を育てよう」―この歌詞のように、子どもたちの現在の幸せよりも、将来の大きな夢や長じてからの立身出世を強調するものも多い。他にも「ここで学んだわれら、大人物になる」「前だけを見て進む大韓の少年」などの文句が使われている。

ソウルのある小学校教師はこうした歌詞について「現在の学びよりも将来のための努力を重視し、子ども自身の尊厳ではなく国の労働資源である点を強調する国家主義教育観が反映されたものが多い」とし、時代に合った歌詞になっているかどうかを見直す作業が必要だと指摘した。

これについて韓国のネットユーザーからさまざまなコメントが寄せられているが、多数の共感を得ているのは「運動会自体が日帝の名残。運動会をなくすべきだ」というもの。他にも日本統治に言及した声は多く「皮肉だが、親日の痕跡が一番多く残っているのは教育部だ」「親日独裁勢力のせい」「日本の名残はこれだけじゃないだろ」「日帝の名残という仮面だけかぶせたら無条件で処刑になるのか。制服も一度はこの“汚名”を着せられてなくなったけど、最近は大部分の中・高校で復活してるよ」などの意見が寄せられている。

また他には、「歌詞の問題ではなく、校歌自体が集団主義の象徴だ」「古いものは良くないと言いたいのか?。上に挙げられた単語は大事だし美しい言葉だと思うけど」「そのうち国の名前も21世紀のトレンドに合わせて変えようと言い出しそうだな」「そうなると国家も変えないと駄目か?」「何でもかんでも変えてしまったら、思い出もなくなってしまう」など、記事の指摘には否定的な意見が多く寄せられた。(翻訳・編集/吉金)