上海は一般に夏と冬が長く、春と秋が短いと言われる。つかの間の秋を楽しむ上海で、秋のグルメと言えば、「上海蟹」。毎年、この時期になると上海在住の外国人をはじめ、地元の人も楽しみにしている「上海蟹」が市場にでまわる。

日本では「上海蟹」とよばれるが、中国では「大閘蟹(ダーヂィアーシエ)」。中国で地元の人に「上海蟹」と言っても「?」となることも。産地も実は上海蟹の有名なブランドは蘇州近郊の「陽澄湖」産のもので、毎年、偽物が出回るほど人気が高い。あまりに偽物が多いため、業者では「陽澄湖」シールやタグをつけて出荷するようになったが、それでも今度はそのシールやタグまで偽物が…などと本物との区別が難しいとさえ言われるほどだ。

値段は重さで分かれていて、1杯が50元〜700元(約750円〜約1万500円)で、一般的な重さはオス約200グラム、メス約150グラム。重いほど値段が高くなる。上海市内のレストランでは日本よりも手軽に食べることができるが、地元の家庭では市場、スーパーやこの時期に期間限定で営業する専門店などで購入し、自宅で調理して食べるのが主流。当然より安く手に入るし、調理法もいたって簡単でショウガやネギなどと一緒に蒸すだけ。近年、マイカー族も増えているため、上海から車で1.5時間の「陽澄湖」まで出かけて上海蟹を食べるのも人気が高い。ちなみに中国では、陰陽のバランスという考え方から、蟹は体を冷やす「陰」の食べ物に分類されるため、蟹を食べる時には、体を温める紹興酒、ショウガ湯やショウガ茶を飲む習慣がある。

そして、地元のこだわりは食べごろ。上海蟹の時期は9月〜11月下旬だが、「9月のメス、10月のオス」(旧暦)と言われ、前半は卵を持ったメス、後半は白子がつまったオスが美味しいとされる。

もうひとつ、この時期のグルメと言えば、街中に香ばしいにおいを漂わせる「焼き栗」。
このにおいで秋の訪れを実感できる風物詩でもある。若者にとっては「買い食い」グルメのひとつで、職場のおともにもなるとあって人気の「焼き栗」店は行列ができる繁盛ぶりだ。栗の種類により値段は違うが、だいたい1袋(500グラム)が約15〜20元(約220円〜300円)。焼きたてがホクホクとして美味しいのは当然だが、人気店の栗は冷めても美味しいという評判。口コミで広がった、栗が甘すぎてリピーター続出の隠れた老舗もある。

この秋の二大グルメは上海ではマストで押さえておきたい。(提供/フライメディア)