2017年3月17日、韓国の憲政史上初めて罷免された朴槿恵前大統領が「戦闘モード」を維持している。収賄容疑などでの刑事訴追に備えているとみられ、「真実はいつか明らかになる」と述べ、憲法裁判所の決定に承服せず、闘う意向を明らかにした。韓国紙は朴氏の対応を「国を分裂させるのか」などと一斉に非難している。

憲法裁が弾劾を認める決定を下してから2日が過ぎた12日、韓国大統領府(青瓦台)を去り、ソウル市内の自宅に戻った朴前大統領は、集まった支持者らににこやかに対応。側近が代読したメッセージで「私に与えられた大統領としての使命を最後まで全うすることができず、申し訳ないと思っている。この全ての結果については私が抱いていく」としながらも、「時間はかかるだろうが、真実は必ず明らかになると信じている」と言及した。

韓国メディアによると、朴前大統領と親友の崔順実被告らの一連の疑惑を調べてきた特別検察官から捜査を引き継いだ検察特別捜査本部は立件を進める方針で、前大統領に21日に出頭するよう通告した。サムスングループの事実上のトップ、李在鎔サムスン電子副会長の経営権継承を支援する見返りとして、計433億ウォン(約43億円)の賄賂を受け取ったか、受け取る約束をしたかなどが焦点だ。

朴氏のメッセージについて、聯合ニュースは「検察の捜査や刑事裁判後の状況までを考慮し、長期戦に臨む覚悟を示したものとの見方が出ている」と報じた。これに対し、中央日報は「朴槿恵前大統領の不服…国を分裂させるのか」との社説を掲載。「メッセージは、憲法裁の決定に事実上不服を示唆し、自由韓国党を取り込んで検察・野党と対決政治をするという決意で満たされていた」と指摘した。

その上で、「大統領は国法守護の無限責任を負う国家の理性の最高峰だ。本人が悔しく思う側面があっても憲法裁の決定が下される瞬間、直ちに承服を宣言するのは基本中の基本の義務だ」と強調。「さらに支持層に自制を訴え、今回の事態で傷ついた国民を慰労して治癒と和合に率先するのが、前国家元首としての最小限の道理ではないのか」と呼び掛けた。

ハンギョレ新聞は「“承服と統合”の代わりに、“対立と対決”を選んだ朴前大統領」との社説で、「彼女が何故ここまで極端へと突き進むのかは十分推察できる。政治生命を延命するため、あるいは目前に迫った検察の捜査と処罰を免れるために、支持勢力を“防波堤”にしようという思惑だろう」と糾弾。「国がどうなっても、自分の利益のためなら何でもするという非常識に憤りを禁じ得ない」と批判した。

朝鮮日報は「1974年にウォーターゲート事件で任期途中に職を追われた米国のニクソン大統領は辞任する際、『今も私の全身は本能で(辞任を)拒否している。しかし、大統領として米国の利益を守らねばならない』とコメントした。米国の歴史に刻まれたこの言葉は、大韓民国の歴史にとっても必要な言葉だ」と論じた。(編集/日向)