[東京 5日 ロイター] - 金融庁の森信親長官は、5日の講演で、「預金の獲得でバランスシートを拡大するより、手数料が低くても顧客の利益にかなう良質な商品を販売する方が、銀行の経営の安定性向上につながる」と述べた。

また、機関投資家に対し、最終受益者のために投資先企業との対話を積極的に行うよう求めた。

森長官は、投資信託の売れ行きが悪いと嘆く金融機関の経営者がいることを挙げ、「手数料収入増大のノルマで営業を縛り、高い販売手数料や、顧客に見えにくくサヤを抜くような複雑な仕組み商品に傾斜してきた経営が、自身の経営環境の悪化で跳ね返ってきている」と述べた。そのうえで「顧客も金融機関も幸せにならない状況に、早く終止符を打つことが必要だ」と指摘した。

一方、森長官は、機関投資家が最終受益者の立場に立って投資先との対話に積極的に取り組むことで「コーポレート・ガバナンス改革が形式から実質に進むことを期待する」と述べた。

森長官は講演で、機関投資家の行動指針を改訂する考えを示した。金融庁は、2014年2月に指針を策定して公表。今年9月末時点で内外213の機関投資家が同指針の受け入れを表明している。指針では、おおむね3年ごとに更新することが盛り込まれている。

(和田崇彦)