[熊本県菊陽町 7日 ロイター] - ソニー<6758.T>は、スマートフォンやデジタルカメラに塔載されるイメージセンサーの生産について、2016年度下期に自社工場においてフル操業に引き上げる計画だ。スマホメーカーなど納入先の業況が好調なため。グループ半導体生産会社のトップが7日、報道陣に明らかにした。

<生産量は自社設備の上限に>

ソニーセミコンダクタマニュファクチャリングの上田康弘社長は、イメージセンサーを生産する熊本工場で、「下期からは自社工場はフル操業の状態に持っていく」と説明した。これまで月産7万枚(ウェハー投入量ベース)だった生産量を自社設備の上限である7万3000枚に引き上げるとしている。

高成長を続けてきたスマートフォン市場は半導体、液晶、電子部品などを生産する日本の電機産業に活況をもたらしてきた。

年明け以降は、市場を開拓した米アップル<AAP.O>の「iPhone(アイフォーン)」の世界出荷台数が1─3月期に初めて前年割れとなり、成長に急ブレーキがかかったとの懸念が強まった。

足元では台頭著しい中国製スマートフォンが活況で、アップルも新型機iPhone7を投入。一方、世界最大手の韓国サムスン電子<005930.KS>が電池の発火問題で約250万台をリコールするなど、部品需給に影響を与えそうな状況が重なっている。

上田社長は、主力のスマホ向けについて「顧客の状況も今は良くなっている」と述べた。「特定メーカ―(アップルとサムスン)に偏っていた販売構成に最近強くなった中国メーカーを加え、偏らない構成に変化しつつある」と強調した。

<熊本工場、9月末で震災前の出荷量に回復>

4月中旬に発生した熊本地震を受け熊本工場は生産停止に追い込まれたが、復旧作業に注力した結果、7月末にはウエハー投入量ベースで震災前の水準に戻った。

熊本工場の鈴木裕巳・工場長は「9月末の時点で、震災前の同等の出荷状態に戻っている」と説明した。

上田社長は、震災後初めてクリーンルームを見た時に「熊本から撤退か工場作り直しの印象を持った」と振り返った。

上田氏は、災害時の指針となるBCP(事業継続計画)で、今回得た教訓の反映として、「ラインの立ち上げに3カ月間くらいかかったが、2カ月くらいに縮めることはでいないか考えている」と述べた。産業界の中で教訓を共有したいとしている。

(浜田健太郎)