[ 11日 ロイター] - <為替> ドルが主要通貨に対して7カ月ぶりの高値をつけた。最近発表された米経済指標が全般に堅調で、米連邦準備理事会(FRB)は12月に利上げに踏み切るとの見方が強まった。

英国が欧州連合(EU)離脱に際して単一市場へのアクセスを失う「ハードブレグジット」に向かうとの懸念からポンドは4営業日続落。過去1週間の対ドルでの下落率は4%強に達した。

アナリストの間では一段の下落を予想する声が出ている。ただBNPパリバのマクロ・クオンタティブ・ストラテジストのマイケル・スナイド氏は、同行の外為モデルに基づくとポンド/ドルは既にハードブレグジットを織り込み済みとの見方を示した。

市場ではFRBの12月利上げ予想を固める手掛かりとして、12日発表の9月連邦公開市場委員会(FOMC)議事要旨に注目が集まっている。金利先物が織り込む12月利上げの確率は70%前後に達した。

米利上げ観測の高まりから10年物米国債利回りが4カ月強ぶりの水準に上昇し、対円でのドルを下支えした。ドル/円は過去11営業日のうち10営業日で上げた。

アナリストによるとユーロも対ドルでテクニカル的な節目を割り込み、2カ月近く続いた値固め局面が崩れている。

フォレックス・ドット・コムの調査ヘッド、ジェームズ・チェン氏は「米国は12月に利上げするとの観測が強い」と指摘。小売売上高や生産者物価指数、消費者物価指数など今週末に発表される一連の米経済統計が利上げ観測の形成を後押しし、ドルが一段と上昇する可能性があるとの見方を示した。

<債券> 指標10年債利回りが4カ月ぶりの水準に上昇した。コロンバス・デーの祝日だった前日に先物価格が下落したことで、休場明けの現物市場では先物の値下がりに追随するテクニカルな動きが優勢となった。

10日は米株価が上昇したほか、需給引き締まりへの期待から原油先物価格が1バレル50ドルを大きく上抜け、米10年債<TYv1>先物価格は6月以来の安値をつけた。

先物の動きに追い付こうとする動きで、10年債利回りは一時6月3日以来の高水準となる1.78%まで上昇した。

週内に240億ドルの3年債と200億ドルの10年債、120億ドルの30年債入札を控えていることも利回りの押し上げ要因になった。

ただ米株がこの日は大きく売られたことで、利回りは日中の高水準から戻した。

<株式> 大幅安。ダウ平均は200ドル値下がりしたほか、主要株価指数も軒並み1%以上下落した。さえない企業決算や本選まで1カ月を切った米大統領選をめぐる不透明感が相場の重しとなった。

アルミのアルコア<AA.N>は11.4%安。第3・四半期利益がアナリスト予想に届かず、売上高見通しを下方修正した。

S&Pの11セクターはすべて下落し、特に大統領選の結果が最も影響するとみられる業界の1つであるヘルスケア<.SPXHC>が2.5%安と下げを主導した。

遺伝子解析機器のイルミナ<ILMN.O>は、売上高見通しがアナリスト予想を下回ったことが響き、24.8%下げた。

医療機器のセント・ジュード・メディカル<STJ.N>は3.5%安。埋め込み型心臓機器の一部について電池の不具合を理由にリコール(回収・無償修理)を発表した。セント・ジュード買収に合意している医薬品のアボット・ラボラトリーズ<ABT.N>は5.4%下がった。

市場では、FRBの年内利上げが想定される中で、企業業績が改善しないと現状の高いバリュエーションは維持できないとの声が出ている。

主要6通貨に対するドル指数が一時3月以来の高値を付けるなどドル高が進み、多国籍企業の海外利益に押し下げ圧力が働いている面もある。

<金先物> 反落。米国の追加利上げ観測の強まりに加え、ドルが対ユーロで一段と買われたことに伴う割高感などが背景。

米シカゴ連銀のエバンズ総裁が、FRBの12月利上げについて「構わないだろう」と述べ、容認する意向を示した。これを受けて年内利上げ観測が強まる中、金利を生まない資産である金塊は圧迫され、おおむねマイナス圏での推移となった。また、外国為替市場でドルが対ユーロで上昇し、ドル建てで取引される金に割高感が生じたことも相場の押し下げ要因となった。

米株相場が一段安となったことなどを受け、昼前には安全資産としての買いが入って一時プラス圏に浮上したが、その後は再び売り戻された。市場の注目は翌日に公表される9月開催のFOMC議事要旨に集まっている。

<米原油先物> 反落。根強い供給過剰懸念などを背景に売りが優勢となった。

国際エネルギー機関(IEA)が公表した10月の石油市場月報は、石油輸出国機構(OPEC)による9月末の減産合意を受けた市場動向について「来年前半まで供給過剰が続く」と予想。これを受けて、早期の供給過剰解消は困難との観測が台頭し、一時50.39ドルまで下落した。

さらに、ロシア石油最大手ロスネフチのセチン社長が、ロイターに対し、ロシアとOPECによる協調減産が取り沙汰されているが、その一環で同社は減産や増産凍結を行わない意向を表明。前日は、ロシアのプーチン大統領が協調減産に前向きな姿勢を示していたことをきっかけに急伸していたが、この日は逆にロシアによる協調行動に対して懐疑的な見方が広がった。また、外国為替市場でドル高・ユーロ安が進み、ドル建てで取引される原油に割高感が生じたことも相場の下押し材料となった。

*内容を追加します。