[東京 13日 ロイター] - 富国生命保険の2016年度下期の一般勘定の運用方針では、オープン外債を中心とした投資を継続する。上期に大きく増加させたが、下期も円高が急進するような場合は、積み増す。一方、日銀の新枠組み導入でも国内の低金利環境は続くとみて、日本国債は抑制を続ける。流動性を重視し、欧州債や社債には慎重姿勢を崩さない。

渡部毅彦・財務企画部長が13日、ロイターとのインタビューで述べた。

<夏場以降、オープン外債にシフト>

米国債を中心としたオープン外債は当初計画で今年度横ばいの予定だったが、上期は2100億円の増加と想定外の積み増しとなった。要因は円高進行と為替ヘッジコストの上昇だ。夏場にかけて、ドル/円は100円付近に円高が進行、ヘッジコストも1.5%近くに上昇した。

「年度当初は、ヘッジ外債も買っていたが、夏場にかけてヘッジコストが上昇すると十分なリターンが確保できなくなった。円高進行で安く米債を買えるようになり、これ以上の円高も進みにくいとみて、夏場以降はオープン外債を中心とした投資にシフトした」と渡部氏は話す。

今年度当初は、ヘッジ付とオープン合計の外貨建て公社債は2900億円の増加計画だった。上期時点で2700億円の増加(ヘッジ付は600億円増)とほぼ積み増しを終えてしまったが、1ドル95円に向かうような円高局面では、オープン外債を増やす方針だ。

上期時点のヘッジ比率は70%程度と、前期末の80%程度から低下した。オープン外債を増やすとリスクウエートは上昇するが、「ソルベンシーマージンは十分あり、財務上、特に問題にならない」(渡部氏)という。

<日本国債は依然抑制>

日本国債を中心とした円貨建て公社債は上期に500億円減らし、下期も100億円減らす方針だ。

日銀はイールドカーブ・コントロールを導入したが、10年債金利は依然マイナス圏。30年債でも0.5%付近と国内の運用難状況は変わっていない。

「マイナス金利の国債は買えない。超長期国債の利回りも、その期間との見合いでまだ低い。日本国債への投資は引き続き抑制し、償還分は再投資せず、オープン外債などに振り向ける」(渡部氏)方針だ。

一方、日銀の年間6兆円にのぼるETF(上場投資信託)買いで、日本株は下支えられるとみている。日本株は下期、ETFを中心に約100億円、追加で配分する予定だ。「株価が上がらないにしても、下がらないのであれば、安定した配当利回りが期待できる」(渡部氏)という。

<流動性を重要視>

外債も欧州債や社債などクレジット物には慎重な姿勢を続ける。米国債も30年を超えるような超長期国債への投資は控えるという。

「欧州債は一部の国債などを除けば、流動性が十分高いとは言えない。社債や超長期国債も同様だ。金利が急上昇するような、いざというときに売れないリスクは大きい。低金利による運用難環境が続いているが、流動性を犠牲にしてまで、高い金利を取りに行くことはしない」と渡部氏は話す。

一般貸付は、上期に約400億円の減少、下期も約100億円の減少計画だ。国内の低金利環境により、採算面で厳しい状況が続いているという。

今年度下期の相場見通し(レンジと年度末)は以下の通り。▼はマイナス。

日本国債10年物利回り ▼0.20―0.10%(年度末▼0.05%)

日本国債20年物利回り 0.10―0.60%(同0.40%)

米10年債利回り    1.30─1.90%(同1.70%)

日経平均        15000─18000円(同17000円)

米ダウ         16000─19000ドル(18000ドル)

ドル/円         95―110円(同102円)

ユーロ/円       105―120円(同113円)

(伊賀大記 富沢綾衣 編集:吉瀬邦彦)