[ 13日 ロイター] - <為替> 中国の低調な貿易統計を受けてリスク志向が後退したことに伴い、主要6通貨に対するドル指数<.DXY>が過去1カ月間で最大の下落率を記録。安全資産とされる円とスイスフランの両通貨に対しては約2カ月ぶりの高水準から値下がりした。

BKアセット・マネジメントのマネジングディレクター、ボリス・シュロスバーグ氏は「中国の成長の大幅な減速により、米国の金融政策を正常化する計画が再び挫折する可能性がある」と指摘。「そうした可能性について考えるのは時期尚早かもしれないが、この日のニュースはドルのより深い調整へ向けたお膳立てとなるものだ」と述べた。

ドル指数は米利上げ観測によって押し上げられ、今月これまでに2%超上昇。市場は米連邦準備理事会(FRB)が12月に利上げに踏み切る確率を約70%と織り込んでいる。

9月の連邦公開市場委員会(FOMC)議事要旨は、利上げ時期をめぐって当局者間で意見が大きく割れていることを示す内容だった。

デイリーFX・ドット・コムの通貨アナリスト、クリストファー・ベッキオ氏は、FRBが「目先はタカ派姿勢を示しているのかもしれないが、長期的にはハト派色を強めている」と指摘。米国の生産性の伸びが低調にとどまる中、「労働市場で需給の大きな緩みが残る状況と相まって、米国は低成長の局面から脱却できない可能性がある」と分析した。米国の低成長が続けば、ドルは中長期的に上値を抑えられることになる。

<債券> 国債価格が上昇。弱い中国の貿易統計を受けて、安全資産とされる米国債の投資妙味が高まった。

TD証券の金利ストラテジスト、ジェナディ・ゴールドバーグ氏は「市場を動かしたのは世界的な要因だ」とし、休場明けとなった11、12日の2日間に国債相場が売られていたことで、買い戻しが入ったことも支援したとの見方を示した。

終盤の取引で、米10年債利回りは1.739%と、約1週間ぶりの水準をつけた。前日には4カ月ぶりに1.80%の水準を上抜けていた。

30年債利回りは2.476%と、7日以来の低水準をつけた。

米株市場が軟調な展開となったことや30年債入札が旺盛な需要を集めたことも追い風だった。

30年債入札は、応札倍率が2.44倍と、7月以来の高水準だった。

14日の注目材料は、イエレンFRB議長の講演と小売売上高統計だ。

米フェデラルファンド(FF)金利先物相場は現在、年内1回以上の利上げを65%の確率で織り込んでおり、12月を有力視している。

<株式> 下落。さえない中国指標が嫌気されるなか、金融株中心に売りが出た。ただ原油価格が終盤にかけて持ち直したことで株式相場も下げ渋る動きとなった。

S&P金融株<.SPSY>は1.1%下落。ウェルズ・ファーゴ<WFC.N>の不正営業問題やドイツ銀行<DBKGn.DE>の経営不安などが下げ圧力として働いている。BB&Tウエルス・マネジメントのシニアバイスプレジデント、バッキー・ヘルウィグ氏は、11月8日の米大統領選をめぐる不透明感や銀行へのさらなる規制強化なども、金融株の重しになりかねないとの見方を示した。

中国の9月輸出が前年比10%減と予想を大きく下回るとともに輸入が予想に反して落ち込み、同国経済の先行き懸念が再燃したため、ダウ工業株30種とS&P総合500種は一時3カ月ぶりの安値に沈んだ。

午後に入ると原油価格の反発が支えになった。ヘルウィグ氏は「ある程度買いが入り始めたきっかけは、原油価格の落ち着きだったと思う」と話した。

トムソン・ロイターのデータによると第3・四半期のS&P500種企業の利益は約0.7%減少すると見込まれているだけに、投資家の間には株式市場のバリュエーションが高過ぎるのではないかとの心配が広がっている。

それでも一部には、S&P500種全体では最終的に増益となるほど予想を上回る業績を発表する企業が相次ぐことを期待する声もある。

S&P500総合500種の予想利益に基づく株価収益率(PER)は現在17倍で、スターマインのデータで見た過去10年間の中央値の14.7倍よりも高い。

<金先物> 3日ぶりに反発。低調な中国貿易統計を背景に欧米株が下落する中、安全資産とされる金にショートカバ ーや安値拾いの買いなどが入った。外国為替市場でドル高・ユーロ安の進行が一服。ドル建てで取引される金に割安感が若干生じたことも支援材料となった。

ただ、前日清算値確定後に発表された米連邦公開市場委員会(FOMC)議事要旨で、 複数の参加者が利上げに前向きな姿勢を示していることが確認され、年内利上げ観測が強 まっていることから、上値は抑えられた。

<米原油先物> 3日ぶりに反発。米エネルギー情報局(EIA)の在庫統計発表直後は売られたものの、その後はガソリン在庫の減少などを背景に買い戻しで持ち直した。

EIAが発表した週間在庫統計は、原油在庫が市場予想を大幅に上回る積み増しとなった。このため、発表直後は供給過剰に対する警戒感から一時売りが活発化。しかし、ガソリン在庫とディスティレート(留出油)在庫がともに予想に反して取り崩しとなったことから、石油精製製品の需給引き締まり観測が強まり、見直し買いが入った。

また、外国為替市場でドルが対ユーロで下落し、ドル建てで取引される原油などの商品に割安感が生じたことから、原油が買われた。さらに、この日の安値圏付近では安値拾いの買いも入ったもようだ。