[東京/ドバイ 14日 ロイター] - サウジアラビアとソフトバンクグループ<9984.T>は、世界規模でテクノロジー分野に投資するファンドを設立するための覚書を締結したと発表した。投資資金は1000億ドル(約10兆円)規模に拡大する可能性があり、サウジの脱原油政策を推進する巨大ファンドとなる。ソフトバンクはファンドの投資先企業との提携を通じ、グローバル戦略の加速を目指す。

設立するのは「ソフトバンク・ビジョン・ファンド」。ソフトバンクは今後5年間で少なくとも250億ドル(約2.6兆円)を出資。サウジのパブリック・インベストメント・ファンド(PIF)も5年間に最大450億ドル出資する可能性がある。世界各地の投資家にも参加を呼び掛けており、ファンド総額は1000億ドル規模になる可能性があるという。

ファンドは英国子会社が運用。ソフトバンクグループの戦略的ファイナンス部門の責任者、ラジーブ・ミスラ氏がプロジェクトを主導する。元ドイツ銀行のニザール・アルバサム氏、元ゴールドマン・サックスのパートナーのダリンチ・アリバーヌ氏もプロジェクトに参画しているという。

ファンドはソフトバンクグループの連結対象となる見通し。

ソフトバンクの孫正義社長はリリースで「このファンドは今後10年でテクノロジー分野において最大級のプレーヤーになるだろう」と指摘。「出資先のテクノロジー企業の発展に寄与することで、情報革命をさらに加速させる」と期待感を示した。

石油相場の低迷が続く中、サウジは経済の多様化を目指した様々なビジネス戦略を打ち出しており、今回の出資も脱石油依存政策の一環。

サウジのPIFは1971年に設立されたが、これまでは主に国内でのプロジェクトに投資してきた。同国の経済政策を指揮するムハンマド副皇太子は、PIFによる投資をさらに強化するため、資金量を現在の1600億ドルから2兆ドル規模に拡大する意向を示している。

孫社長は5月の決算会見で、投資家のセンチメントが弱っている今こそが投資のチャンスだと指摘。「この1─2年、投資家の気持ちがやや揺らいでいるが、テクノロジーはどんどん進化しており、市場も広がってきている。大いなるチャンス到来で、信念を持って大規模に投資する」と語っていた。

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