[ニューヨーク 13日 ロイター] - 米企業の決算は、あまり知られていない年金規則の改定を活用して利益がかさ上げされている可能性がある。ただ、その分は将来的にコストとして跳ね返ってくる。

米証券取引委員会(SEC)が昨年9月に導入した新規則により、企業は確定給付型年金の金利コストなどを目先減らす代わり、将来より多く計上する「スポット・レート・アプローチ」を選択することが可能になった。

クレディ・スイスのアナリスト、デービッド・ザイオン氏によると、このアプローチを採用した210社は今年、年金費用の減少により税引き前利益が平均2.6%押し上げられた。

ザイオン氏によると、米航空機エンジン・機械大手ユナイテッド・テクノロジーズ<UTX.N>、飲料・食品大手ペプシコ<PEP.N>、食品大手ゼネラル・ミルズ<GIS.N>などを含む10社では、過去1年間に年金関連費用の軽減が増益の半分以上を占めた。

ペプシコの6─8月1株利益はアナリスト予想を6.4%、ゼネラル・ミルズの1株利益は3.6%上回った。

トムソン・ロイターの推計によると、S&P総合500種株価指数を構成する企業全体では、7─9月期の利益は0.7%の減少が見込まれている。

ザイオン氏は「現在の環境下では(年金関連の増益分は)無視できない」ため、投資家は注意すべきだと指摘。「企業は厳しい時ほど無理をしようとする」と述べた。

年金コストに着目するアナリストやファンドマネジャーはほとんどおらず、大半の企業は決算説明の電話会議で年金計画には触れない。

あるファンドマネジャーは「(年金費用のことは)まったく考慮に入れていない」と打ち明けた。クレディ・スイスによると、このファンドが投資している特殊化学のアシュランド<ASH.N>は今年、「スポット・レート・アプローチ」採用による年金負担の軽減が利益の約15%を占める見通しだ。

(David Randall記者)