[ 14日 ロイター] - <為替> ドルが対円やユーロで上昇。週間の上昇としては約7カ月ぶりの高さとなった。朝方発表された9月の米小売売上高と卸売物価指数(PPI)が堅調な内容となったことで12月の米利上げ観測を支え、ドル買いにつながった。

午後に入り、イエレン米連邦準備理事会(FRB)議長が経済危機による損失の修復を図るには「高圧経済」政策が唯一の方策となり得るとの見解を示したことを受け、ドルは対円で一時上げ幅を縮小する場面もあった。

ただ、イエレン議長の発言は12月の米利上げ観測を変更させるような内容ではなかったと、アナリストは指摘した。

9月の米小売売上高は前月比0.6%増と、前月からプラスに転じ、ドルへの追い風となった。9月のPPIも前年同月比0.7%上昇し、2014年12月以来最も大きな伸びとなった。

ドル/円<JPY=>は0.3%高の104.03円。週間では1.2%上昇した。

NY外為市場:[USD/J]

<債券> 長期債利回りが大幅上昇し、30年債利回りは4カ月ぶりの高水準をつけた。米中の指標が堅調な内容だったことに加え、イエレン米連邦準備理事会(FRB)議長が2%の目標を上回るインフレ水準を許容する考えを示唆したことが押し上げ要因となった。

イエレン議長はこの日の講演で、経済危機による損失の修復を図るには「高圧経済」政策が唯一の方策となり得るとの考えを示した。また危機による長期的な打撃から回復するには緩和的な政策が必要な可能性があると述べた。

クレディ・アグリコル・コーポレート・アンド・インベストメント・バンクの金利戦略部門グローバル責任者、デービッド・キーブル氏は「過熱気味の経済運営に関するコメントが大きな材料だった」と指摘。「議長はおそらく12月利上げに備えつつも、市場に先走って欲しくないのだろう。インフレ加速も意に介さないもようで、そのため利回り曲線がスティープ化している」と話した。

5年・30年債の利回り格差<US5US30=TWEB>は、議長の発言を受けて9月16日以来の水準となる127ベーシスポイント(bp)超に拡大した。投資家は目先の利上げを織り込みつつ、将来の利上げは緩やかになると見込んでいる。

<株式> 小幅反発で取引を終えた。好調な金融大手の決算が好感された。ただ、連邦準備理事会(FRB)のイエレン議長が講演で、経済の回復力に疑問を呈したことで、上げ幅は縮小した。

SP500種金融株指数<.SPSY>は約0.5%上昇した。JPモルガン・チェース<JPM.N>とシティグループ<C.N>の第3・四半期決算の内容が予想を大幅に上回った。架空口座開設問題に揺れるウェルズ・ファーゴ<WFC.N>の決算もぎりぎり予想を上回った。

JPモルガンとシティはそれぞれ0.3%高。ウェルズ・ファーゴは0.1%安だった。

短文投稿サイトのツイッター<TWTR.N>は5.1%安。顧客管理ソフト大手セールスフォース<CRM.N>のCEOがツイッター買収を否定したことが嫌気された。セールスフォースは5.2%値上がりした。

<金先物> ドル高・ユーロ安の進行に伴う割高感などに圧迫され、反落した。朝方発表された9月の小売売上高は0.6%増と市場予想と一致。変動の激しい自動車・ 同部品ディーラーを除くと0.5%増で予想を若干上回った。また9月の卸売物価指数(PPI)は前月比0.3%上昇、エネルギーと食品を除いたコア指数も0.2%上昇と、いずれも予想を上回った。これを受けて年内利上げ観測が高まり、金利を生まない資産である金塊は圧迫された。 ただその後、ミシガン大学発表の10月の消費者景況感指数(暫定値)が前月から低下。 市場予想も下回ったことから、金相場は一時プラス圏に浮上。しかし、外国為替市場でド ル高・ユーロ安基調が続いたことから割高感に押され、再びマイナス圏に沈んだ。

<米原油先物> ドル高・ユーロ安の進行による割高感を受けた売りに押され、反落した。小売売上高など一連の堅調な米経済指標を背景にドルが対ユーロで上伸したことから、ドル建てで取引される原油に割高感が生じ、相場はマイナス圏に沈んだ。正午前には一時49.90ドルと、50ドルの水準も割り込んだ。石油輸出国機構(OPEC)による協調減産の実効性とその効果をめぐる不透 明感も圧迫材料となったもよう。

米石油サービス会社ベーカー・ヒューズがこの日午後に公表した国内の石油掘削稼働数 は同日までの1週間で前週比4基増の432基となった。これは 2月以来の高水準となったが、相場への影響は限定的。清算値確定直前には、週末要因や値頃感から買い戻しが入って下げ幅を縮小したが、プラス圏には浮上できなかった。