[東京 17日 ロイター] - 日銀が17日公表した地域経済報告(さくらリポート)では、全9地域のうち中国と九州・沖縄が景気判断を前回7月調査から上方修正する一方、東海が引き下げた。各地で景気は引き続き回復または拡大としているが、円高や天候不順などを背景に消費の鈍さも指摘されている。

<中国、九州沖縄は判断引き上げ>

九州・沖縄は4月に発生した熊本地震の影響が和らぐもとで景気判断を引き上げた。被災地企業の操業再開や挽回生産で生産が増加する中、所得や観光面の回復など個人消費も持ち直している。

中国も軽自動車の生産停止を受けて前回調査で下方修正となったが、生産再開に伴って下押し要因の緩和が指摘されている。

一方、9地域で唯一、景気判断を「拡大」と強めに表現している東海が、2013年1月調査以来となる下方修正となった。要因は個人消費の一部に弱めの動きがみられるため。輸出関連企業が多い同地域では、外国為替市場での円高進行を受け、先行きの所得をめぐる不透明感が意識されている可能性がある、という。

このほか、景気判断自体は据え置いたものの、近畿も百貨店販売を中心に弱めの動きがみられる、などとして個人消費の判断を引き下げた。その他の地域からも、台風など天候不順が個人消費に影響しているとの報告があがっている。

<所得・支出の循環続く、公共投資も支え>

全体としては、9地域すべてが景気は引き続き「回復」または「拡大」としており、「新興国経済の減速の影響などがみられるものの、所得から支出への前向きな循環が働いている」とされている。

その他の需要項目をみると、公共投資を北海道、北陸、東海、中国、四国、九州・沖縄の6地域が上方修正。2016年度予算の前倒し執行が背景で、先行きも大規模な経済対策を含む補正予算の執行による効果の持続が見込まれている。

住宅投資は北陸、関東甲信越、中国、四国の4地域が引き上げた。金融緩和による住宅ローン金利の低下で個人の住宅購入が増えているほか、資産運用や相続税の節税ニーズを背景に貸家も増加。もっとも、貸家の増加については、今後の持続性に慎重な企業の声も聞かれている、という。

(伊藤純夫)