[ 18日 ロイター] -

<為替> ドルが反落。前週末のイエレン米連邦準備理事会(FRB)議長による「高圧経済政策」発言が影響したことに加え、最近のドル高を受けた利益確定の売りが広がった。

イエレン氏は14日の講演で、2008─09年の金融危機で被った打撃を回復するには、力強い総需要と労働市場ひっ迫を伴う高圧経済を一時的に続ける必要があるかもしれないとの考えを表明。利上げに踏み切るのは、物価上昇率がある程度の期間、目標を上振れするのを容認してからになるのではないか、と市場が受け止めた。

TDセキュリティーズの北米FX戦略責任者マーク・マコーミック氏は「問題となるのは、もしもFRBが物価の上振れを許してサイクルの最終局面で非常に大幅な引き締めを余儀なくされるなら、それは経済に悪影響を及ぼしかねない点にある」と指摘した。

主要6通貨に対するドル指数<.DXY>が過去2カ月で3.5%上昇し、益出しの動きも見られた。このためアジア時間に3月10日以来の高値を付けていたドル指数は終盤、0.16%安の97.862となった。

<債券> 国債利回りが一時つけていた4カ月ぶりの高水準から低下した。前週末14日には、米連邦準備理事会(FRB)がインフレ高進を容認する可能性を示唆するイエレン議長の発言を受けて売り込まれていたことから、この日は安値拾いの買いが膨らんだ。

朝方発表された10月の米NY州製造業業況指数が予想外に悪化し、5月以来の低水準となったことも、債券買いを後押しした。

取引終盤、指標10年債<US10YT=RR>は8/32高、利回りは1.762%。ロイターのデータによると、利回りは一時6月2日以来の高水準となる1.814%をつけた。

イエレンFRB議長は14日、力強い総需要と労働市場のひっ迫を伴う「高圧経済」政策が、2008─09年の金融危機による損失の修復を図る打開策となり得るとの見解を示した。

一部トレーダーの間では、FRBがインフレ率を目標の2%を超えて上昇することを容認する可能性を示唆しているとの見方が広がり、5・30年債利回り格差は一時129ベーシスポイント(bp)に達した。ただその後は前日から約1bp縮小の126bpとなった。

キャンター・フィッツジェラルドの金利ストラテジスト、ジャスティン・レデレー氏は「市場ではなおイエレン議長の発言が消化されている」とし、安値をつけた後に買いに弾みがついたと指摘した。

一連の経済指標が強弱まちまちの内容となる中、CMEのフェドウォッチによると、市場に織り込まれた12月米利上げの確率は約70%。14日からほぼ変わらず。

この日は、フィッシャーFRB副議長が講演。FRBは最大雇用と2%のインフレ目標に「極めて近い」とし、成長押し上げに向け早計に政策の枠組みを変更すべきでないとの立場を示した。明確な利上げ時期は示唆しなかった。

また、ローゼングレン・ボストン地区連銀総裁はロイターに対し、雇用とインフレ率は近い時期の利上げの根拠となる水準にあるとの見解を示した。

<株式> 小幅安。原油の値下がりに伴いエネルギー株が軟調だった。

原油が供給過剰懸念から続落し、S&Pエネルギー株指数<.SPNY>は0.6%下がった。動画配信サービスのネットフリックス<NFLX.O>は、取引終了後の四半期決算発表を控えて1.6%下げた。

オンライン小売りのアマゾン・ドット・コム<AMZN.O>も1.2%安となり、ネットフリックスとともに一般消費財セクターを押し下げた。

バンク・オブ・アメリカ<BAC.N>は、四半期決算が3期ぶりの増益となり1株利益がアナリスト予想を上回ったため、0.3%上がった。

予想を上回る好業績だった玩具のハスブロ<HAS.O>は7.4%高だった。

米連邦準備理事会(FRB)のフィッシャー副議長は17日、利上げに踏み切るのは「そう簡単でない」と発言。利上げのタイミングをめぐるこれまでのFRB高官の発言は統一性に欠け、市場にとっては米大統領選や第3・四半期の企業業績とともに不透明要素の1つとなっている。

ただ企業業績については投資家の間で好転期待が広がってきた。トムソン・ロイターのデータでは、S&P500種企業の第3・四半期利益見通しは全体の7%が発表を終えた17日午前の段階で0.1%減と、10月1日時点の0.5%減から上振れした。

<金先物> ドルが対ユーロで下落したことを背景に安値拾いの買いなどが入り、小反発した。12月物の清算値は前週末比1.10ドル高の1オンス=1256.60ドル。

外国為替市場ではドル高・ユーロ安が一服。ドルが対ユーロで下落したため、値頃感から買い戻しが入った。また、リスク資産である原油や株式の相場が軟調に推移する中、金は「質への逃避先」として買われた。

<米原油先物> 根強い供給過剰懸念などを背景に続落した。米国産標準油種WTI11月物の清算値は前週末比0.41ドル(0.81%)安の1バレル=49.94ドルと、中心限月の清算値ベースとしては6営業日ぶりに50ドルの大台を割り込んだ。12月物は0.38ドル安の50.37ドルだった。

米石油サービス会社ベーカー・ヒューズが前週末14日に発表した石油掘削リグ稼働数は4基増の432基となり、2月以来の高水準を記録。前週比横ばいないし増加はこれで16週連続で、価格の持ち直しを背景に米国内で生産拡大の動きが広がりつつあることへの懸念が台頭した。また、外国為替市場でドル高・ユーロ安が進行したこともドル建て商品の割高感につながり、原油相場は早朝にかけて弱含みに推移した。