[東京 18日 ロイター] - 政府が推進しようとしている第4次産業革命に関連して、10月のロイター企業調査でロボットの導入状況を聞いたところ、まだ導入していない企業が6割と過半数を占めた。特に非製造業では8割以上が導入していなかった。人工知能(AI)やインターネットでモノをつなぐIoT導入については、検討段階が4割強、全く検討していない企業も4割にのぼった。

IoTの共通プラットフォームの標準版が定まっていないことや、サイバー攻撃に対する安全性の問題、法整備など、実用化に向けたハードルの解決や人材育成支援を政府に求める声も強い。

この調査は、資本金10億円以上の中堅・大企業400社を対象に9月28日─10月12日に実施した。回答社数は255社程度。

ロボットは、製造業ではすでに過半数が導入している。工場の生産現場や工事現場が中心。非製造業では流通部門や販売サービス現場でのロボット活用はごくわずかで、導入していないとの回答が85%にのぼった。

今後、情報通信技術を活用する分野を尋ねたところ、製造業は生産・品質管理・流通合理化などが中心。「製品のIoT化による個別サービス力アップや顧客囲い込み」(機械)など、個別情報分析にまで踏み込んだ発想はまだ少ない。

非製造業では具体的な活用方法についての回答は少なく、「全く検討していない」企業が48%と製造業の34%を上回っている。サービス業など「ロボット導入は想定できない」といった事業内容もあるとみられる。

情報通信技術(ICT)の活用に関して、政府に環境整備して欲しい点を聞いたところ、最も多かったのが「グローバル標準の制定」(輸送用機器)だった。携帯電話のOS(基本ソフト)のように、一度利用し始めると乗り換えが難しいため、有力なプラットフォームが定まらない現状では、国内外の民間企業が提供するいずれのプラットフォームを利用すべきか、企業にとっては判断しかねる状況だ。

「情報セキュリティーの確保」(機械)を求める声も多い。サイバー攻撃への懸念が企業の情報化投資のコストを膨らませ、一企業では対応しきれない局面に来ているためだ。

自動運転の実用化には、事故の責任の所在など「法整備」(小売)が必要なことや、「技術者育成支援」(化学)など、情報通信化実現への障害の解消を求める声も強い。「研究開発費の優遇処置」(鉄鋼)など、補助金や減税措置など金銭的な支援を望む声も目立った。

(中川泉 梶本哲史 編集:石田仁志)