[東京 19日 ロイター] - 日産自動車<7201.T>はカルロス・ゴーン会長兼社長(62)が三菱自動車<7211.T>の会長に就任する人事を固めた。複数の関係筋が19日明らかにした。燃費データ不正問題が発覚した三菱自は今月中に日産から34%の出資を受け入れ、日産の傘下に入る予定。

日産のトップを務めるゴーン氏が三菱自の会長も兼務し、同社の経営再建に自ら積極的に関与することで法令順守の強化やイメージ刷新、提携効果の最大化を目指す。

ゴーン氏は1999年、経営危機に陥っていた日産の最高執行責任者(COO)として仏自動車大手ルノー<RENA.PA>から送り込まれ、翌年、社長に就任。工場閉鎖や人員削減など大規模リストラを進めて「コストカッター」の異名を取り、業績のV字回復を果たした。

約17年にわたり日産の経営トップを続けているゴーン氏は、ルノーの会長兼最高経営責任者(CEO)も務めており、三菱自を含めた3社で部品の共同調達や生産拠点の活用、エコカーの本命と位置付ける電気自動車などでの連携も図る考えだ。

今回の人事は12月に予定している三菱自の臨時株主総会後に開く取締役会で正式に決める。三菱自では燃費不正問題の発覚を受けて当時の相川哲郎社長(62)が引責辞任したため、益子会長が社長を暫定的に兼務している。関係者によると、ゴーン氏は益子修会長に社長としての留任を強く要請しているが、益子会長は日産からの出資を受け入れて新体制ができた後に辞任する意向を示しており、社長人事は紆余(うよ)曲折も予想される。

三菱商事<8058.T>出身の益子氏は三菱自のリコール(回収・無償修理)隠し問題後の2004年に同社常務に就任し、05年に同社社長・企業倫理担当役員に就いた。以来、経営トップを続けてきたが、その間に燃費不正が行われていたため、社内外で益子氏の経営責任を問う声は強く、同氏が経営に残ることで体質改善が進むのか疑問視する声も出ている。

三菱自では今年4月に燃費データ不正が発覚。不正の温床となったのは開発部門で、日産の副社長だった山下光彦氏(63)がすでに三菱自の副社長に就いて同部門の抜本的な改革に乗り出している。日産は出資に伴い、取締役4人も送り込む予定。

*内容を追加しました。

(白木真紀 編集:山川薫)