[ルクセンブルク 10日 ロイター] - 欧州委員会は10日、ギリシャ救済融資の前提となっている同国の構造改革について、ユーロ圏による28億ドルの融資実行に向けた道筋を築くと前向きに評価した。

ただ、常にギリシャに対して厳しい姿勢で臨んできたドイツは、依然として懐疑的なスタンスのまま、必要な改革全てが実行されたわけではないとしている。

ギリシャは、資金を受け取るためには「マイルストーン」と呼ばれる15の改革を実行しなくてはならないが、その最後の改革が先週末に完了した。改革の内容は、欧州委員会と欧州中央銀行(ECB)、ユーロ圏の金融安定網「欧州安定メカニズム(ESM)」、国際通貨基金(IMF)の代表者で構成される機関により評価される。

欧州委員会のモスコビシ欧州委員(経済・財政担当)は、ルクセンブルクで開かれたユーロ圏財務相会合に臨む前に記者団に対し「15のマイルストーン全てが完了したという評価を与える予定だ」と述べた。「これによって、残っている28億ユーロの支出への道も開かれる。ギリシャ問題を巡っては、ぎりぎりの段階で物事が実行される傾向があるが、それでも実施はされた」とした。

ただ、欧州委員会の幹部らによると、ドイツを筆頭とするいくつかの国は、ギリシャにとっては、民営化基金が完全に機能するようにすることなど、マイルストーン完了までに、しなければならないことが残っていると主張している。これにより、ギリシャ救済プログラムに関する第1レビューとされるもののうち、最後に残った28億ユーロ融資の完全履行について判定が遅れる可能性がある。

融資の大半はギリシャ政府の支払い滞納を解消するために使われる。15の改革の完了は融資の実施につながるだけでなく、ギリシャが第2レビューと呼ばれる次段階の改革に進むことを可能にする。つまり、ギリシャの債務救済に関する話し合いを開始する環境が整うことになる。

ギリシャ政府が、今年末までに第2レビューに求められる改革の全てを完了できれば、ユーロ圏との間で中・長期の債務救済を受けるための条件交渉を始めることができる。ギリシャ政府にとっては重要な政治的勝利を意味する。

ユーロ圏の財務相らは今年5月、IMFが12月にギリシャの債務に関する新たな持続性分析を提出した後に債務救済範囲の話し合いを開始することで合意している。

モスコビシ氏はロイター通信の取材に対し「もし第2レビューが完了すれば、今年末以前にギリシャが責任を果たしたことを意味し、ユーロ圏も責任を果たすために、債務の話し合いには応じる必要がある」と述べた。

ギリシャが12年に国内の私的債務の再編を実施して以来、ユーロ圏の財務相らは同国にとっての主要な債権者となっている。財務相らは5月に債務救済に関する指針で合意し、全ての改革が実施されれば、指針はギリシャの総資金需要を中期的に国内総生産(GDP)の15%に抑制し、長期的にも20%未満に維持するとした。