[10日 ロイター] - 内部告発サイト「ウィキリークス」が10日公表した電子メールによると、米大統領選の民主党候補ヒラリー・クリントン氏は外部アドバイザーであるマンディ・グランウォルド氏の助言を受け、金融機関の業務に垣根を設けた「グラス・スティーガル法」の復活を一時検討していたことが分かった。グランウォルド氏が、民主党左派を敵に回すのを回避するために必要だと説いていた。

ウィキリークスが明るみにしたのは、クリントン陣営の幹部であるジョン・ポデスタ氏の電子メール。それによると、グランウォルド氏は2015年10月、クリントン陣営に対し、グラス・スティーガル法の内容を改正した新たな法案への支持を検討するよう主張した。

1933年に制定されたグラス・スティーガル法は商業銀行がリスクの高い取引を手掛けることを禁止。1999年にビル・クリントン政権下で商業銀行と投資銀行間の垣根を取り払う法律が成立した際に廃止された。

民主党左派の間では、グラス・スティーガル法を復活させて大手金融機関を解体することが金融危機の再発防止につながるとの見方が多い。

グランウォルド氏は、仮にクリントン氏が新たなグラス・スティーガル法を支持しなければ、左派の重鎮であるエリザベス・ウォーレン上院議員(マサチューセッツ州)との関係が冷え込みかねないと指摘した。ウォール街を痛烈に批判している同議員は、党内左派勢力の間で人気が高い。

当時は民主党予備選でバーニー・サンダース上院議員の支持率がクリントン氏に急接近していた。グランウォルド氏は、クリントン氏が同法を支持しなければ、ウォール街のリスクを抑え込むというクリントン氏の計画の妥当性を主張するのが一段と難しくなり、ウォーレン氏がサンダース氏支持に回る恐れがあると心配した。

グランウォルド氏は、クリントン氏とのやり取りの中で、クリントン氏がその後発表したリスクベースの大手行解体策の代わり、もしくはそれに追加する形での「グラス・スティーガル法の支持に傾きつつある」との考えを示していた。

だが数週間後にクリントン氏が実際に打ち出したのは、大手行を規模や投資活動の種類に基づくのではなく、経済にもたらすリスクに基づいて解体することを目指す方針だった。