[11日 ロイター] - 米アルミ大手、アルコア<AA.N>が発表した第3・四半期決算は、コスト削減などにより利益が増加したものの、市場予想には届かなかった。売上高は一部精錬事業の縮小・閉鎖や価格安が響き減少した。

株価は午後の取引で約10.5%安の28.21ドル近辺で推移。一時は28.04ドルまで下げた。同社は11月1日に採掘・精錬などの事業を受け継ぐ「アルコア」と、航空宇宙・自動車業界向け部品事業を統括する「アルコニック」へと分社化される予定で、今回の決算は分社化前の最後の決算となる。

純利益は1億6600万ドル(1株当たり0.33ドル)。前年同期は4400万ドル(同0.06ドル)。一時項目を除く1株利益は0.32ドル。アナリスト予想平均は1株0.35ドルだった。

売上高は52億ドルと、前年同期の56億ドルから減少。予想の53億ドルも下回った。

2016年の世界の自動車生産は1ー4%の伸びになるとの見通しを据え置いた。16年の航空機の引き渡しは横ばいから最大3%の伸びを見込む。

通年の業績については、航空宇宙事業を中心に短期的な問題があるとし、すべての部門の売上高の目標を引き下げた。

第3・四半期は自動車、および航空宇宙関連部門で売上高が減少。アルコアは航空機エンジンをめぐる遅れのほか、価格圧力が一部原因となったとしている。ただ全体として減収となったにもかかわらず、コスト削減効果が一部精錬事業の縮小・閉鎖や価格低下などによる影響を上回ったことで増益を確保。

クラウス・クラインフェルト最高経営責任者(CEO)は、自社が影響を及ぼせる分野に注力し、耐久力を付けることができたとの認識を示した。

ブラッドフォード・リサーチのチャールズ・ブラッドフォード氏は アルコアが直面する問題はアルミナ価格の下落や航空機製造の遅延など、おおむね外的な要因によるものとなっていると指摘。「航空機エンジンをめぐる問題はアルコア自体には何の関係もない」とし、「航空機エンジンへの需要は堅調で、問題は製造過程にある」と述べた。

この日はアルミ価格<CMAL3>が一時2カ月ぶり高値を更新。ただその後は世界最大の生産国である中国の生産増や供給過多をめぐる懸念から値を下げた。

ただクラインフェルトCEOは中国の生産能力拡大は「それほど大きなものではない」と指摘。アルコアは2016年のアルミ需要の伸びは5%となり、供給の伸びの3%を上回ると見積もっていることを明らかにした。

また、自動車産業でアルミが多く利用されるようになる動きが続いていることはプラス要因となると指摘。ただ全般的な米市場はすでにピークに達した可能性があるとも述べた。