[フランクフルト 19日 ロイター] - 欧州の無人探査機が19日、初めて火星に着陸する予定だ。成功すれば、火星での生命探査は大きく前進することになる。欧州の挑戦は2度目で、探査機「ビーグル2号」が「勇敢な失敗」に終わってから10年以上が経過している。

円盤状の小型着陸探査機「スキャパレリ」は、欧州宇宙機関(ESA)がロシアと協力して行っている火星探査計画「エクソマーズ」の一環。同探査機の重さは577キロで、2020年に打ち上げられる探査車のために技術的なテストを行う。

19日1442GMT(日本時間午後11時42分)に時速約2万1000キロのスピードで火星の大気圏に突入する予定。それからわずか6分後にスキャパレリはパラシュートとスラスターを使って減速し、火星表面に着陸する。

ESAにとっては2度目の試みで、2003年に火星探査機マーズ・エクスプレスから英国の着陸機ビーグル2号が切り離されたが消息を絶ち、当時は「勇敢な失敗」と呼ばれた。

スキャパレリの名は、1877年に火星の表面観測を始めたイタリアの天文学者、ジョバンニ・スキャパレリ氏に由来する。

火星着陸は困難なミッションであることで知られ、これまでロシアや米航空宇宙局(NASA)を苦しめてきた。

だが過酷とみられる火星の環境が、その魅力をあせさせることはなかった。オバマ米大統領は11日、2030年代までに火星に人を送る計画について改めて言及し、地球から離れた宇宙空間で長期間滞在できる居住施設を建設するため、官民で作業に入っていると明らかにした。

米民間宇宙企業スペースXのイーロン・マスク最高経営責任者(CEO)は、火星への移住を最終目標として大型宇宙船を開発中。早ければ2024年にも最初の一行を送りたいとしている。

<火星での生活>

火星探査計画エクソマーズの主な目的は、火星に生命が存在している形跡があるかどうかを明らかにすることだ。スキャパレリが搭載される無人探査機「トレース・ガス・オービター(TGO)」は、メタンなど火星の周りの微量ガスを調査する。

地球に存在し、生命の存在に深く関わっているメタンガスについて、何百万年も前に絶滅した微生物によって発生したガスが火星の表面下で凍っているか、あるいは、メタンガスを発生させる生命体が今でも存在している可能性があると、科学者は考えている。

探査計画第2弾は、2018年から2020年に延期されたものの、火星表面に欧州の探査車を送り込むことだ。これは、火星表面を動き回るだけでなく、サンプルを収集し分析するために地面に穴をあける機能を備えた初の探査車となる。

第2弾を含めたエクソマーズ計画の費用は、ランチャーや探査機に搭載される機器のロシアからの提供を抜きにしても、約13億ユーロ(約1500億円)かかる見通し。

(Maria Sheahan記者 翻訳:伊藤典子 編集:下郡美紀)