[ブリュッセル 18日 ロイター] - 英国のメイ首相は20日、ブリュッセルで開かれる欧州連合(EU)首脳会議に首相就任後初めて出席する。

英国以外の27の加盟国の首脳らは、メイ首相がEU離脱にあたりEUの単一市場からの撤退も辞さない強硬姿勢に傾いたと受け止めており、会議には殺伐とした空気が漂う可能性がある。

英国民投票まではEU残留派だったメイ首相だが、先の保守党大会でEU離脱に向けた交渉を来年3月末までに始めると表明。移民流入制限と欧州司法裁判所からの離脱を目指す考えを示した。

メイ首相はEU首脳会議でEU離脱計画について説明するとみられる。一方で各国首脳らは、EUとの密接な通商関係を維持するためにメイ首相がより柔軟な姿勢に転じる兆しがあるかどうか見極めようと、慎重に耳を傾けるだろう。

英国内ではメイ首相がEU離脱にあたり複数の選択肢を検討中と伝えられているが、EU当局者らや外交筋は、今回の会議で英国とEUのどちらも態度を大幅に軟化させることはないとみている。

英国が離脱交渉でしたたかな外交戦略を駆使して「いいとこ取り」を狙い、その結果EU内の対立がさらに深まることが懸念されるなか、27カ国は20日からの首脳会議で従来は見られない結束力を見せつけようとしている。

EUの首脳らはメイ首相が保守党大会で離脱交渉の開始期限を明示したことを歓迎した。メイ首相は事前に、開始期限について主要国の首脳らに電話で打診したが、2017年に連邦議会選挙を控えるドイツにしても、同年に大統領選挙があるフランスにしても、メイ首相のさまざまな要求に対応する準備ができている首脳は皆無だ。

EU首脳会議の議長を務めるトゥスクEU大統領は18日遅くにメイ首相と会談したが、首脳会議後に会談する予定はない。

EU首脳らは、英国が正式に離脱通知を行うまで交渉は行わないとしている。それでもEU大統領がメイ首相との協議に臨んだことは、英国が、そしてメイ内閣でさえも有権者が何を望んでいるのか、そしてそれをいかにして実現するのか模索中だとEU側がみていることをうかがわせる。

EU当局者によると、英国政府関係者はEUとの密接な関係を維持するための選択肢を残そうと密かに画策している。たとえば、東欧の加盟国に補助金を提供するEU予算に英国が資金を拠出し続ける可能性も浮上しているという。

先のメイ首相の党大会での強硬な発言は、EUに向けた言葉ではなく、党内の求心力を高めるのが狙いだったとの指摘もある。

英国政府筋によると、メイ首相もその側近も、離脱交渉の内容についてはこれまで一切言及していない。