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軽い気持ちが命取りになる?

ふだんプライベートで使っている「話し言葉」や「カジュアルな言葉」を、礼儀やマナーが求められる「仕事のメール」に使っていませんか?

仕事のメールのやり取りは“遊び”ではありません。その主流は、マナーや気遣いが求められるフォーマルなコミュニケーションです。あなたが書いたメールを読んだ人から「この人は礼儀知らずだ」「マナーがなっていない」「失礼だ」「無礼だ」「私を軽んじている」「馬鹿にしている」と思われているとしたら……ゾっとしませんか? あなたは悪気なく書いたのかもしれませんが、残念ながら、挽回の余地はありません。メールの場合、相手がいちど抱いたイメージを払拭することは至難の業だからです。

メールというのは、会話と違って、目の前に相手がいない状態で行うコミュニケーションです。それゆえ、その場で言葉を取り消したり、訂正したりすることができません。もちろん、(会話ではないため)表情や口調、ジェスチャーなどを使って、言葉を補完することもできません。やり直しがきかない一発勝負。読んだときの第一印象がすべてです。しかも、相手が削除しない限り、(良くも悪くも)ずっと手元に残り続けます。それゆえ、失礼のない「書き言葉」で書く必要があるのです。

軽々しい文面をこう転換!“言い換え”例46選!

では実際に、どのような「話し言葉」や「カジュアルな言葉」がメールに使われているのでしょうか。適切な「書き言葉」と併せて、以下に紹介します。

× すいません(すみません)。

○ 申し訳ございません。


× 私たちにお任せください。

○ 私どもにお任せください。


× しばらくぶりです(お久しぶりです)。

○ ご無沙汰しております。


× いつもお世話さまです。

○ いつもお世話になっております。


× これからもよろしくお願いいたします。

○ 今後ともよろしくお願いいたします。


× 弊社が受注することはないです。

○ 弊社が受注することはありません(ございません)。


× ちょっと遅れそうです。

○ 少し遅れそうです。/少々遅れそうです。


× いっぱい回答をいただきました。

○ 多くの回答をいただきました。


× とってもいい感触でした。

○ 非常にいい感触でした。


× たぶん成功するでしょう。

○ おそらく成功するでしょう。


× あんまりいい状態ではありません。

○ あまりいい状態ではありません。


× あとでメールしておきます。

○ のちほどメールしておきます。


× さっきは失礼いたしました。

○ 先ほどは失礼いたしました。


× すぐに取りかかります。

○ 早急に取りかかります。


× やっとここまで来ました。

○ ようやくここまで来ました。


× もうすぐ到着します。

○ 間もなく到着します。


× だんだん増えてきました。

○ 徐々に増えてきました。


× どんどん成長しました。

○ 急速に成長しました。


× どうしますか。

○ いかがいたしますか。


× どこへ行かれますか。

○ どちらへ行かれますか。


× こっちで進めておきます。

○ こちらで進めておきます。


× そんな事態を招くとは〜

○ そのような事態を招くとは〜


× おわかりいただけたでしょうか。

○ ご理解いただけたでしょうか。


× やっぱりそうですか。

○ やはりそうですか。


× 全然問題ございません。

○ まったく問題ございません。


× 決定じゃなくて〜

○ 決定ではなく、〜


× 調べちゃってください。

○ 調べてください。


× 注文しなきゃなりません。

○ 注文しなくてはいけません。


× 彼だから言えるんです。

○ 彼だから言えるのです。


× ちゃんと対応してほしい。

○ きちんと対応してほしい。


× だいたい100人です。

○ 約100人です。


× ときたまあるようです。

○ ときどきあるようです。


× 読みましたけど、まだ返事はしていません。

○ 読みましたが、まだ返事はしていません。


× 原油高が進んだら、経営が厳しくなる。

○ 原油高が進めば、経営が厳しくなる。


× 営業を通さないで、直接ご連絡ください。

○ 営業を通さずに、直接ご連絡ください。


× コピーしときました。

○ コピーしておきました。


× アイデアを募集してます。

○ アイデアを募集しています。


× 不備があったから、現場に戻しました。

○ 不備があったため、現場に戻しました。


× 鈴木とか木村が頑張ってくれています。

○ 鈴木や木村が頑張ってくれています。


× 通販なんかもあります。

○ 通販などもあります。


× 作業は全部終わりました。

○ 作業はすべて終わりました。


× 営業部の意見みたいです。

○ 営業部の意見のようです。


× 一番いい企画はAです。

○ 最もいい企画はAです。


× いろんな手法があります。

○ いろいろな手法があります。/さまざまな手法があります。


× コストなんて重要ではありません。

○ コストなど重要ではありません。


× ミスばっかりくり返している。

○ ミスばかりくり返している。


「書き言葉」を基本にしつつ、フレキシブルに対応せよ!

無意識に「話し言葉」や「カジュアルな言葉」を使って文章を書いている人に限って、自分が使っている言葉が、仕事の文章として“ふさわしくない”ことに気づいていません。

あなたもこの機会に、自分がこれまでに書いたメールを、ぜひ読み返してみてください。自分がよく使ってしまっている「話し言葉」や「カジュアルな言葉」に気づくことができれば、次に書くメールから「書き言葉」に修正することができるようになります。

もっとも、メールの書き方は、相手との関係性や親密度、相手の立場などに応じて変化させて然るべきものです。フレンドリーな関係性を望んでいる相手に、ビジネスライクで堅苦しい印象のメールばかり送りつけるのは、それはそれでコミュニケーション不全です。相手が少し砕けた「話し言葉」でメールを送ってきたときは、自分が書くメールの文面も、相手の砕け具合にそろえる。ときには、そのような“臨機応変さ”も必要です。対面でのコミュニケーションと同じように、求められるのはバランス感覚なのです。

「話し言葉」と「書き言葉」の使い分けは、社会人として身につけておくべきビジネススキルのひとつです。仕事で使うメールは、適切な「書き言葉」を基本にしながら、そのつど、相手との関係性やTPO(時/場所/場合)をわきまえながら書いていきましょう。

著者:山口拓朗

『伝わる文章が「速く」「思い通り」に書ける 87の法則』著者。

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伝える力【話す・書く】研究所主宰。「論理的に伝わる文章の書き方」や「好意と信頼を獲得するメールコミュニケーション」「売れるキャッチコピー作成」等の文章スキルをテーマに執筆・講演活動を行う。著書に、『伝わる文章が「速く」「思い通り」に書ける 87の法則』(明日香出版社)のほか、『何を書けばいいかわからない人のための「うまく」「はやく」書ける文章術』(日本実業出版社)『書かずに文章がうまくなるトレーニング』(サンマーク出版)他がある。モットーは「伝わらない悲劇から抜けだそう!」。

山口拓朗公式サイト
http://yamaguchi-takuro.com/