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思考・気持ちの見える化の効用

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ゼロ秒思考 頭がよくなる世界一シンプルなトレーニング
作者 赤羽 雄二
出版社 ダイヤモンド社


まずご紹介するのはこちらの書籍。もうすでにご存じの方も多いかもしれません。

著者が提唱するのは、自分の頭の中にあることをひたすら紙に書き出すこと。A4の紙を用意し、1ページにつき1件だけ頭の中にあることを書いていくというとてもシンプルな方法です。しかも、ゆっくり時間をかけるのではなく、1ページを1分以内にさっと書いていく。それを繰り返すことで頭の中身が見える化され、「考える力」が鍛えられていきます。

その効用のひとつが著者曰く、「心のコントロールの達人にもなり、ストレスや不安、恐怖が軽減され、前向きに明るく生きるようになる」ということです。頭の中でグルグル渦巻いている不安や悩み、恐れ、イライラなども、言葉にして文字に落とし込んでいくことで不思議と頭がすっきりし、大した問題ではないことに気がついたり、解決策が見えたりすることもあります。皆さんもご経験はないでしょうか?

その効果を示す一例を著者は紹介しています。ある大手流通業で、部下1000名ほどの地域本部営業リーダーが書いたというメモです。その方は非常に優秀だそうで、会話の受け答えも普段はとても素晴らしいようなのですが、部下に対してはすぐに怒鳴りつけてしまう傾向があったといいます。「怒鳴りつけることで部下は委縮するし、いいことは何もない」とわかっているものの、部下に対してはついやってしまうそうです。それを何とかしようと書いたメモが次のものです。

【メモ1】自分ならどんな指導を受けたいか?
・自分の課題を明確にしてほしい
・自分の課題に対して具体的な行動指導をしてほしい
・フィードバックして、何が良くなっているのか明確にしてほしい
・良い、悪いをはっきり伝えてほしい
・やる気を持たせてほしい
・自分でもできるかもと自信を持たせるフィードバックがほしい


そして、このメモを始めとして10数枚書くことで、怒鳴りつけることが自分のコミュニケーションの手段になってしまっていたこと、良いことなんて何もないことを知っていたにも関わらず自分をコントロールすることができなかったことという気づきを得られたといいます。

私も自分の頭の中身を見える化するようになってからは、このような体験をすることが多くありました。ストレスを感じたときに冷静になって対処するために、有効な取り組みということができるのではないでしょうか。

自分の「思い込み」に気づくことが打開策につながることも。

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世界のエリートがIQ・学歴よりも重視! 「レジリエンス」の鍛え方
作者 久世 浩司
出版社 実業之日本社

レジリエンスという言葉を皆さんはご存知でしょうか? 本来の意味は「負荷がかかって変形したものが、元の形状に戻る力」。この意味が転じて「ストレスからの回復力」「困難な状況への適応力」などといった意味合いで最近は使われるようになっています。レジリエンスをいかに身につけていくかが、ストレスとうまく付き合う上では重要だと言えるでしょう。

著者は、その鍛え方について7つの技術があると述べています。今回はその中から1つ【役に立たない「思い込み」を手なずける】ための技術を簡単にご紹介したいと思います。

著者は、人はそれぞれ自身の経験によって形成された「色眼鏡」をかけていると指摘しています。それを、信念や意見、解釈、または思い込みと言います。同じ体験をしても人によって「色眼鏡」が異なるので、結果としてその体験に対して起こる感情や行動が異なってくるわけです。

著者は、人がもつ「思い込み」について理解するために代表的な思い込みを7種類に分類して、それらの「思い込み」に「〇〇犬」と名前をつけることでわかりやすくし、その「犬」に対して適切な対処をすることで自身の「思い込み」に対処して感情や行動を修正することを提案しています。ちなみに、どのような「犬」が人の中に住みついているかというと、批判犬(怒り・不満をもたらす)、正義犬(嫌悪・憤慨・嫉妬をもたらす)、負け犬(悲哀・憂鬱感をもたらす)、あきらめ犬(不安・憂鬱感・無力感をもたらす)、心配犬(不安・恐れをもたらす)、謝り犬(罪悪感・羞恥心をもたらす)、無関心犬(疲労感をもたらす)の7種類が挙げられます。

このような「犬」は、一度自分の中に棲みついてしまったらそのままなのでしょうか? 著者は、後天的に刷り込まれた思い込みは、意図的に捨てるアンラーニングをすることができると言います(その具体的な方法は本著に譲ります)。

思い込み犬は、その人「本来の姿」ではありません。あくまでも「思い込み」です。現実的にしなやかに考えて、思い込む犬をてなずけようとすることで、思い込み犬と本来の自分の間に適切な距離を置くことができるようになります。これが重要なことなのだと著者は指摘しています。

皆さんは、ご自身の中にどのような「思い込み犬」がいるでしょうか?

今、やるべきことに集中する。

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世界のトップエリートが実践する集中力の鍛え方 ハーバード、Google、Facebookが取りくむマインドフルネス入門
作者 荻野 淳也、木蔵シャフェ君子、吉田 典生
出版社 日本能率協会マネジメントセンター

ストレスを感じて「気が散って仕事に集中することができない…」「すぐに慌ててしまって、仕事でミスをしてしまう…」などのように感じられることはないでしょうか。仕事では、何をするにしても限られた時間の中でしっかりと成果を上げたいもの。ただ、溢れる情報や刺激を前に気が散ってしまって集中することができなかったり、「まずい!」と立て直そうとしても逆にドツボにはまってしまったり…そのようなことはよくあることだと思います。

そのような状況下であったとしても、今やるべきことに集中してしっかりと成果を上げるために注目されているもののひとつが「マインドフルネス」です。

「マインドフルネス」とは端的にいうと、「今、この状態に全力を傾けられる状態」のこと。今という瞬間に集中して取り組むべきことにフルで注力することです。脳科学でもその重要性を証明する研究結果などが出てきています。

そもそもなぜ、人は冒頭のような状況に陥ってしまうのでしょうか? その原因として、現代社会の変化の速さに脳の進化が追いついていっていないことを著者は指摘しています。つまり、いつ何に襲われてもおかしくない不安定な世界に適応することに向いている祖先から脈々と引き継がれてきた脳の機能が、世界の変化に適応しきれないでいる(過剰反応をしてしまう)結果、冒頭のような状況に陥ってしまうというのです。

そして、そのような環境に適応するために脳をアップデートさせる手段のひとつが「マインドフルネス」。トレーニングを通して身につけることができるものと言われています。そのための簡易的な方法をひとつが以下です。

▼朝のプラス5分があなたの1日を変える
目覚めてすぐにベッドや布団から起き上がるのではなく、まずは横たわっている自分の身体を味わってみましょう。重力を感じながら、つま先から下半身、上半身、頭部へと注意を向けていきます。ほんの30秒から60秒、呼吸とともに身体が目覚めていくのを感じましょう。時間に余裕があれば、寝床から身体を起こして立ち上がるまでの動作を(中略)、ゆっくり一つひとつ意識しながら行ってみましょう。以前よりも心持ちゆっくり身体を起こすようにするだけでもよいと思います。


継続するためには、新しいことをはじめるのではなく、いつもの習慣を少し変えてその中に取り入れていくことが大切であると指摘する著者たち。継続は力なり。ぜひ取り入れていきたいですね。


今回の記事はいかがでしたでしょうか? 人は、生きているかぎりストレスと無縁でいることはできません。置かれている状況や個人の特性によって強弱はあると思いますが、よほど特別な状況でない限りはストレスを避けることはできないでしょう。それであれば、いかにストレスとうまく付き合うかを考えた方が良いのではないでしょうか。ストレスはうまく付き合えば、力になります。気づきも与えてくれるでしょう。高いパフォーマンスを発揮するために大切な役割を担うこともあります。それに気が付き向き合っていくことで、成果にもつながり好循環につながっていくのではないでしょうか。

文・近内健晃

人材サービス、広告代理業を経て、現在は事業会社のマーケティング(戦略立案〜実行の全プロセス)を担う。自身でNPOの問題解決支援を行う団体も設立。これまで35社45事業部以上、非営利団体100団体以上にマーケティング支援/相談業務を実施。営業・広報・マーケティングをいかに有機的に結び付け組織内外に対して価値を提供していくかに取り組む。


協力:honto

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