産業医と課題共有を

 産業保健業界で25年間、経営者や人事部門にコンサルティングをしてきた著者が、健康経営の推進と産業医活用の重要性を説いたのが本書である。従業員という資産を健康面で支援することで人的資本の価値、ひいては企業価値を最大化するポイントをまとめている。

 多くの企業では、法的な義務だからと産業医を選任しながらも、十分に機能していないとする。健康経営を実効性あるものとするには、まず経営者が「何のために実施するのか」を理解することが大切とした。そのうえで、自社の課題や得たいリターンを産業医と共有し、解決に向けた協力体制を構築することが重要と解説している。

 規模・業種の異なる4社の企業事例も掲載し、より理解を深めやすい構成になっている。

(歌代敦著、ダイヤモンド社刊、1650円税込、TEL:03-5778-7240)