これが沖縄担当相の発言だろうか。鶴保庸介沖縄担当相が、辺野古違法確認訴訟の県敗訴の判決に関し「早く片付けてほしい」との発言を繰り返している。 基地の重圧に苦しむ県民の思いを踏みにじる心ない言葉だ。発言を撤回し、沖縄振興に責任を持つ担当相の立場から、辺野古新基地問題を見詰め直してもらいたい。 担当相は福岡高裁那覇支部で判決があった16日の閣議後会見で、国と県との対立について「早く片付けてほしい」と述べた。さらに20日の会見でも県敗訴の判決に関し「沖縄振興策がよどんだりすることはない」としつつ、「辺野古の問題は早く片付いてほしいというのが本音」と同様の見解を繰り返した。 「判決確定後は『判決に従う』という和解条項に淡々と従うことを期待する」とまで述べている。「早く片付いてほしい」という発言は、安倍政権の「辺野古が唯一の選択肢」とする固定観念を一歩も出ていない。安倍晋三首相が口にする、聞こえがいい「沖縄に寄り添う」姿勢も、みじんも感じられない。 「国の主張を丸のみ」と批判される判決は、一言で要約すると「米軍普天間飛行場の被害を除去するには辺野古新基地を建設するしかない」と決め付けるものだ。 普天間飛行場はハーグ陸戦条約に反し、米軍が強権的に私有財産の土地を収奪した基地だ。その基地被害を除去するためと称し、新たな基地建設を正当化する。地方自治を無視する国の身勝手な論理を、判決はそのまま受け入れた。 翁長雄志知事は裁判で「新たな恒久基地建設は、沖縄の自立経済の発展を阻害する」「沖縄の地域振興の公益判断(埋め立て承認取り消し)を尊重してほしい」と訴えた。 沖縄振興特別措置法は「沖縄の自主性を尊重し総合的、計画的な振興を図り、沖縄の自立的発展、豊かな住民生活の実現に寄与する」と記する。 沖縄振興の主務大臣であれば、地方自治を否定する高裁判決に唯々諾々とせず、「沖縄振興の公益」のため埋め立て承認取り消しを訴える県知事、県民に寄り添う姿勢を示すべきだ。 鶴保担当相は一方で、国と県が「互いに虚心坦懐(たんかい)に話し合い、解決の方向に導いていく」ことが必要とも述べている。であれば「辺野古が唯一」の固定観念を脱し、虚心坦懐な話し合いを安倍政権の閣僚として提起するべきだ。