全日空(ANA)は23日、沖縄路線を就航から55周年を迎えた。日本復帰前の沖縄で、鹿児島と那覇を結ぶ路線を運航。日本航空(JAL)に比べて後発だったが、復帰後に東京や大阪、福岡線を順次開設し、平成に入ると離島路線を拡充させた。2000年代には那覇空港を拠点とした国際貨物ハブ事業が始まり、物流のインフラとして沖縄振興の一翼を担う。今後もアジアの航空機整備基地としての展開など、那覇空港の拠点利用を強化する。 全日空の那覇—鹿児島線が飛んだのは1961年9月23日。運賃は往復65ドル、片道35ドル。初年度の輸送実績は2675人(利用率63%)だった。 沖縄観光の現在の隆盛につながる契機となった沖縄国際海洋博覧会期間中には、那覇—伊江島便もあった。海から空へ旅客輸送の主役が代わる中で地方路線を次々開設し、79年には羽田—那覇に2階建てジャンボジェット、ボーイング747を投入した(ジャンボは2014年に退役)。 09年に稼働した国際貨物ハブは、那覇空港から4時間圏内に日本やアジアの主要都市を抱える沖縄の地理的特性を生かし、各地の貨物を深夜に那覇空港で載せ替えて翌朝には現地に届ける。現在、国内4、海外7空港の貨物を中継している。那覇空港の貨物取扱量は成田、羽田、関西に次ぐ国内4位となった。 貨物ハブがきっかけで生まれた夏季限定の深夜便「ギャラクシーフライト」のヒットなど、ANA沖縄支社は「就航当初は週2日(1日2往復の週4便)だったが、現在では旅客・貨物合わせて連日60便以上を運航する全国有数の拠点になった」と語る。 那覇空港第2滑走路の増設を見据え、ANAホールディングス(東京)を筆頭株主として昨年6月に設立したMROジャパンは、今後、国産初のジェット旅客機MRJ(三菱リージョナルジェット)などの整備を那覇空港で手掛ける。 ANA沖縄支社は、沖縄就航55周年記念で、子どもたちを遊覧飛行に招く体験搭乗と航空整備士による航空教室を10月22日に開く。担当者は「将来沖縄の地で航空や観光産業に就きたいという夢を描いてもらえるといい」と話した。