災害調査やビジネスの現場で水中・陸上ロボットや小型無人機「ドローン」の活用が期待される中、政府が性能の評価基準を策定することが分かった。走行距離や耐久性などの性能を項目別に数段階で評価し、その結果を公表する方針。企業や役所などが機器を導入する際、評価を参考にすれば目的に見合った製品を選びやすくなる。平成29年度中に策定し、30年度以降に運用を開始する。

 基準作りは新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)を中心に、パナソニック、三菱重工業、富士通など企業10社と大学などの有識者も参加。産官学が連携して進める。

 評価は、土砂崩れやトンネル崩落などの災害調査▽ダムや橋などインフラ施設の保守点検▽宅配など物流サービス−の3分野で使われる機器を対象とする。いずれも市場の拡大が予想され、とりわけドローンを使った物流ビジネスは「空の産業革命」を起こすと期待が高まっている。インフラ保守の分野では、高度なセンサーを備えたロボットの開発が進んでいる。

 例えば、富士通は、橋を上空からドローンで撮影し、老朽化の進行を解析するサービスの展開を検討。パナソニックは、ダムの壁面の状況を水中で撮影できるロボットを開発した。三菱重工と千葉工業大は、遠隔操作可能な陸上ロボットを発表している。

 ただ、性能を評価する客観的な基準や手法はまだ定まっていない。安全性に問題のあるロボットが流通する恐れもあり、性能の「見える化」を求める声が産業界からも上がっていた。

 評価基準には、機体の安全性のほか、飛行・走行距離、耐久性、省エネ性能、遠隔操作の技術力など複数の項目を設定する。強風の中でドローンを飛ばしたり、障害物や浸水のある路上でロボットを使用したりと、過酷な環境で性能を確認する手法も決める。

 ロボットなどの評価基準づくりは、NEDOを中心に介護など生活支援分野でも進められている。性能の明確化で、開発競争や実用化に弾みがつくことが期待されている。(板東和正)