天皇陛下が強い意向を示されている「生前退位」に対応する政府の有識者会議のメンバーに23日、経団連の今井敬名誉会長ら6人が起用された。宮内庁関係者は「各界からバランスよく選ばれた印象」と冷静に受け止め、「今後ヒアリングを重ねるであろう専門家の人選にも着目したい」と議論の行方を見据えた。

 メンバーには経済界の元トップ、政治学者、法学者らが顔をそろえた。同日に会見した菅(すが)義偉(よしひで)官房長官は高い識見に加え、「組織の経営、管理や会議の取りまとめに経験豊富な方々」と選考理由を説明した。

 ある宮内庁関係者は「メンバーが皇室の専門家ではないので聞き役になる」と分析。陛下のご意向をめぐっては専門家の間でも見解が割れているが、別の関係者は「さまざまな意見を集約し、一定の結論を導いてもらえるのではないか」と期待感を示した。

 宮内庁の風岡典之長官は21日の会見で、生前退位の問題に優先的に対応するよう政府に要望したことを明らかにしていた。側近の一人は「陛下のお気持ちご表明は問題提起。時間はかけられない」としつつ、「国民の関心も依然高く、その声を議論に反映させることも求められる」と話した。