今年度に還暦を迎える府立大和川高校(大阪市住吉区、現・府教育センター付属高校)の卒業生が、歌手・南沙織さんの往年のヒット曲「17才」の替え歌「60才」のミュージックビデオ(MV)の制作に取り組んでいる。時間に余裕を持てる世代になったことから、今しかできないことをしようと企画。人気アイドルグループAKB48の楽曲に合わせて素人が踊る動画が次々と公開されていることから着想を得た。11月に市内で行う同窓会で披露する予定だ。(芦田彩)

 ♪♪あの日から40数年 時は流れたけど いまも同じ 笑顔のままで 還暦だもの 私は今生きている

 府教育センター付属高の正門前で、南沙織さんや森高千里さんで知られる曲「17才」に合わせ、笑顔で両手を挙げながら手拍子をして踊る約30人の男女の姿があった。

 歌手の谷村新司さんも輩出した旧府立大和川高校を昭和50年3月に卒業した第10期生で、いずれも今年度に還暦を迎える。サッカーのユニホームや猫の仮装、柔道着といった思い思いの姿で、校舎の廊下や階段、正門で2時間ほど撮影。趣味のベリーダンスの衣装を腰に巻き付けて参加した松原市の主婦、田中久代さん(59)は「卒業以来初めて母校に来た。高校生に戻ったようです」と感激した様子で話した。

 中心メンバーの一人で大阪市阿倍野区の会社経営、袋井(ふくろい)一彦さん(60)によると、子育てなどが一段落し、時間に余裕を持てる世代になると同時に定年退職を迎える時期になったことから、還暦の節目に合わせて記憶に残るものを作ろうと企画。市交通局がAKB48の「恋するフォーチュンクッキー」に合わせて職員らが踊る動画を作り、インターネットに投稿しているのを見て、「われわれの世代のヒット曲で似たようなことをやってみたら面白いのでは」と思いついた。

 卒業生の知人でクリエーターの一番星(いちばんぼし)哲也さん(48)の協力のもと、制作を開始。在校当時にヒットしていた「17才」をベースに、オリジナルの歌詞をつけた。曲のタイトルは、還暦にちなんで「60才」に。逆さに持ったほうきを左右に振って踊るなど、コミカルな振り付けはすべて自分たちで考えた。撮影には計約50人が参加。3〜6月、ホームビデオを使い、同校などで撮影した。

 現在編集中で、来月中の完成を目指しており、11月に市内で開かれる同窓会で披露する。袋井さんは「卒業後40年以上たってからみんなで作ることにやりがいを感じる。体力が衰える前に、自分たちの記憶に残るものができれば」と話している。