14、15両日に大学入試センター試験が実施されるが、大学入試をめぐっては平成32年度から、新しい仕組みのテスト(仮称=大学入学希望者学力評価テスト)が導入される。特に英語はスピーキング(話す)能力などを評価する方式に改められる。“4年後”を見据え、最新のデジタル教材を活用した授業に取り組む中学校が現れたり、英語検定がスピーキング能力を問う試験を拡大したりと、対策は早くも熱を帯びている。

発音認識し表示

 昨年12月中旬、私立明星(めいせい)中学校(大阪市天王寺区)の2年生のクラスで、音声認識ソフトを使った英語の授業が行われていた。生徒の一人、裘正禄(きゅうしょうろく)さん(14)がパソコンにつながれたマイクに向かって英文を読み上げると、発音どおりの言葉がリアルタイムで画面に表示された。

 「This building was destroyed in 9045…」(この建物は9045年に破壊された)

 広島市の原爆ドームに関する会話で「1945年」と読み上げたつもりだったが、「19」の部分は発音が似ている「90」と認識されてしまった。裘さんは「難しい。もっとうまくしゃべりたい」と悔しがった。

 新テストは、大学入試センター試験を知識偏重から思考力重視へと転換するため32年度から導入される。現在の中2はその際に高校3年生で、新テストの受験第1期生となる。

 中高一貫の同校では、新テストの詳細な制度設計に先駆けて、今年度から中2の英語授業で複数のデジタル教材を独自に取り入れた。民間の検定・資格試験を活用する形で新テストに加わる「話す・書く」技能の向上を目指すのが狙いだ。

 全国の中学校で初めて導入したオンライン英語学習サイト「English Central」もその一つ。教科書の内容や映画のワンシーンなど1万本超の動画を自由に閲覧できるサービスで、音声認識技術が搭載され動画のせりふに合わせた発声練習が可能だ。録音してネーティブの発音と聞き比べたりすることもでき、塚原智也教諭は「生徒の自主的な反復練習につながっている」と話す。

小学校・高校でも

 新テスト導入や、小学校での英語教育の強化を掲げる次期学習指導要領の改定もあり、教育現場では、「話す・書く」力の向上を重視した、さまざまな取り組みが広がっている。

 京都市教委は今年度から市立高の2年全員を対象に、スピーキングを含む民間検定試験を受験させる取り組みをスタート。福岡県飯塚市では昨秋から小6の授業で、外国人講師とマンツーマンでオンライン英会話ができる授業を取り入れた。また、東京都教委では都立高の入試でのスピーキングテスト導入を目指し、計画の策定を進めている。

 公益財団法人日本英語検定協会(英検)も今年度からこれまで筆記とリスニングのみだった4級と5級の試験でパソコン端末などを使ったスピーキングのテストを新たに導入。小中学生ら初心者の受験段階から英語を話す試験形式に触れてもらうことが狙いという。